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2011-04-21

Hyper-V の仮想マシンのエクスポート時の注意点

 前回の記事に関連した内容となりますが、Hyper-V の仮想マシンをエクスポートする際に注意しておきたい点がいくつかありますので、紹介いたします。

仮想マシン全体をエクスポートするか、スナップショットをエクスポートするか

 Windows Server 2008 R2 では、仮想マシンのエクスポートを行う際に、仮想マシン全体をエクスポートするか、スナップショットをエクスポートするか選択できます。

 Hyper-V マネージャーで仮想マシン名を右クリックしてエクスポートすると、仮想マシン全体をエクスポートできます。



 特定のスナップショットのみをエクスポートする場合は、下ペインでスナップショットツリーを展開してから、当該のスナップショットを右クリックしてエクスポートします。



 この柔軟性が意外と問題で、誤ったスナップショットをエクスポートしてしまうと、移行先が最新版の仮想マシン環境にならない可能性があるため、注意が必要です。

 そのため、仮想マシン全体をエクスポートして、移行先で仮想マシンを復元してから、スナップショットを削除してディスク結合を行う方が操作上無難ではないかと思います。


不要なスナップショットを削除して、仮想ハードディスク結合を行う
 スナップショットの削除の仕方によって、スナップショットディスク (.avhd) そのものが削除される場合と、スナップショットディスクが親仮想ディスク (.vhd) に結合される場合があります。

 スナップショットディスクが親仮想ディスクに結合されるようにスナップショットを削除するには、下図の番号の順番にスナップショットを削除します。



参考:スナップショットの削除とインポート/エクスポート(3.スナップショットの削除とインポート/エクスポート)


【仮想マシンインポート時の注意点】

 仮想マシンをインポートする際に、仮想 NIC 名および CD/DVD デバイス名が元の名前と一致していない場合は、以下のようなエラーがイベントビューアに記録されます。




 これらのエラーは、イベントビューアより「アプリケーションとサービスログ」→「Microsoft Windows」→「Hyper-V-VMMS」→「Admin」で確認できます。

ID: 14140
'仮想マシン名' は、デバイス 'Microsoft Virtual CD/DVD Disk' を追加できませんでした。(仮想マシン ID XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX)

ID: 18130
'仮想マシン名' (仮想マシン ID XXXXXXXX-XXXX-XXXX-XXXX-XXXXXXXXXXXX) にデバイス '{ResourceType=21, OtherResourceType="", ResourceSubType="Microsoft Virtual CD/DVD Disk"}' を正しくインポートできませんでした。エラー: 無効なパラメーターです (0x80041008)。

ID: 18510
インポート タスクで、エラー '指定されたネットワーク リソースまたはデバイスは利用できません。' (0x80070037) により、ファイル 'C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Hyper-V\Windows Server 2000\HV Windows Sever 2000 x86 SP4.vhd' の ACL を修復できませんでした。

ID: 18060
インポートできませんでした。場所 'C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Hyper-V\Windows Server 2000\' に仮想マシンを保存できません。エラー: 指定されたネットワーク リソースまたはデバイスは利用できません。 (0x80070037)


 当方で仮想マシンのインポート、仮想 NIC 名が元の環境とインポート先の環境と一致していない場合に仮想マシンのインポートを実行すると、ホストの NIC が動作停止し、コンピュータをシャットダウンできなくなるという不具合が発生したため、仮想 NIC 名は旧環境と新環境で統一しておいた方が良いかもしれません。

2011-04-06

Hyper-V の仮想マシンの移行方法(エクスポート&インポート)

 さて、当ブログで以前から Hyper-V の設定方法や仮想ディスクの編集方法について述べてきましたが、今回はあるコンピュータの Hyper-V 環境にインストールされている仮想マシンを別のコンピュータに移行する方法について紹介します。

 ここでは、Hyper-V マネージャに用意されている仮想マシンのエクスポート、および仮想マシンのインポート機能を使います。

【仮想マシンのエクスポート】

1. 移行対象の仮想マシンをシャットダウンして停止させます。
2. Hyper-V マネージャより、1. の仮想マシンをマウスで右クリックしてサブメニューを表示させ、その中から「エクスポート(X)...」を選択します。


3. エクスポート先の指定を促すダイアログが表示されますので、任意の場所を指定します。


注:
 現在割り当てている仮想マシンの環境がそのままエクスポートされますので、エクスポート先のディスク空き容量が十分あることを事前に確認しておいてください。

 また、ユーザが任意に名称変更した仮想ハードディスク (.vhd) をエクスポートしようとすると、以下のようなメッセージが表示され、エクスポートに失敗してしまいますので、ご注意ください。イベント ID:18350

「仮想マシン 'Windows Sever 2000 x86' (E07BACD0-A9A4-4FC2-85F0-D9A9357943AA) をエクスポートできませんでした: エラー '指定されたファイルが見つかりません。' (0x80070002)。


 このエラーメッセージは、管理ツールのイベントビューアより、「アプリケーションとサービス ログ」→「Microsoft」→「Windows」→「Hyper-V-VMMS」→「Admin」で確認できます。


【仮想マシンのインポート】

0. 仮想マシンのインポートは一旦処理が始まってしまうと、後でユーザがインポート先を任意指定できないため、事前にインポート先を決めておく必要があります。
 Hyper-V マネージャを開き、右ペインに表示されるメニュー項目の中から「Hyper-V の設定...」を選択します。



 Hyper-V の基本設定をするためのウィンドウが表示されますので、必要に応じて「サーバー」項目の[仮想ハードディスク] および [仮想マシン]へのパスを変更しておきます。
 仮想マシンのインポート処理が実行されると、これらのパスを使用して仮想マシンが構成されます。



 
注:
 デフォルトでは、これらのパスは以下のようになっているため、仮想マシンをインポートすると、以下のディレクトリ配下に仮想マシン環境が展開されることになります。

[仮想ハードディスク]
<%systemdrive%>:\Users\Public\Documents\Hyper-V\Virtual Hard Disks

[仮想マシン]
<%systemdrive%>:\ProgramData\Microsoft\Windows\Hyper-V


1. 移行先のコンピュータの Hyper-V マネージャを開き、右ペインに表示されるメニュー項目の中から「仮想マシンのインポート」を選択します。



2. 仮想マシンのインポートダイアログが表示されますので、下図のようにエクスポート済の仮想マシンを指定してから、オプションを設定して“インポート”ボタンを押すと、仮想マシンがインポートされます。




○オプション解説

仮想マシンを移動または復元する(既存の一意な ID を使用する)(M) --- エクスポート元の ID と全く同一の仮想マシンが復元される。
インポート先にすでに同じ ID の仮想マシンが存在する場合は、インポートは失敗する。

仮想マシンをコピーする(新しい一意な ID を作成する)(O) --- エクスポート元のマシンに新しい ID を振り、仮想マシンをコピー。

すべてのファイルを複製し、同じ仮想マシンを再度インポートできるようにする(D) --- エクスポートされた仮想マシンを元に、何回でもインポート操作ができる。

注:このチェックボックスを外してインポートを実行すると、エクスポート済の仮想マシンが使えなくなるため、一度しか操作を実行できなくなります。


3. インポートが完了したら、仮想マシンを起動します。
システムの構成によっては CD/DVD ドライブや NIC が正常に動作しないことがあるため、設定画面で調整を行ってください。


参考リンク:
Hyper-V 関連ドキュメント
http://technet.microsoft.com/ja-jp/virtualization/dd297510
Windows Server 2008 R2 Hyper-V バックアップ/リストアガイド
http://primeserver.fujitsu.com/primergy/technical/construct/pdf/win2008r2-hyperv-backup.pdf

2011-03-30

計画停電対策(1) --- ノートPCサーバとHyper-Vで乗り切る

震災発生が3/11。 計画停電(輪番停電)なるものがその後発生し、その間、サーバを停止させなければならないと判明したのが3/13(日)。 当事務所がある調布が第2グループに含まれており、15日に計画停電があると判ったのが14日夜。

当社では客先のデータベースを運用している関係上、至急、以下のような対策を検討した。

1.発電機導入
探してみるとヤマハのEF1600iS(13万円~、1.6kVA、燃料はガソリン)なるものが良いらしい。ルータ、ONU、最小限のサーバなら、停電時も運用できそうだ。 さっそく販売店に問い合わせてみると、「政府・メーカーから在庫分はすべえて被災地に送るようにと指示されていて、当面入荷の見込みはない」とのこと。 あっさり頓挫。


2.客先へのサーバ移動
客先の所在地が計画停電の範囲外にある場合に検討の余地がある。 サーバを新設する場合はすべて一から再構築になり、DNSやSSLも再申請・再設定になる可能性あり。また、夏場は千代田、港、中央以外の東京23区も停電の対象地域となるらしいので、この場合は解決策にはならない。


3.データセンター
データセンターであれば電源は保障される筈なので、上記2前段の問題は残るものの、停電対策には一番良い解決策と思われる。 が、コストが高い。


4.ノートPCサーバへの移行とUPS増設
現サーバ環境をノートPC(Windows Server 2008 R2 + Hyper-V)に移行し、停電時は増設したUPS で乗り切る。 結局、これを採用した。 開発用のノートPC(CORE I5/8GB)に Windows 2008 と Hyper-V をインストールしてあったので、ここに必要最低限の現サーバ(複数)の環境を移行。Hyper-Vのお陰で1台の物理マシンに複数のサーバOSをインストールして運用できる。 このノートPCの内蔵バッテリは最大6時間持つ仕様だが、テストしてみると3時間弱で切れてしまう。そこで、UPS(APC Smart-UPS 1500)も2台増設した。
1台はノートPC専用、もう1台はONUとルータに接続。この構成で3時間程度の停電であればUPSバッテリも余裕をもって乗り切ることができる。 また、停電後2時間程度でバッテリは満タン状態に戻るので、1日6時間停電がある場合でも、停電と停電の間に3時間の余裕があればどうにかなりそうである。


かくして、上記4の方法で行くことを14日午前に決定、14日午後一でUPSを発注、サーバ環境をノートPCサーバに移行作業開始、17日午後より運用を開始した。 Smart 1500が発注から中2日で到着したのは幸運だった。(その後、Webのショップを覗いてみたが、軒並み売り切れになっていた。3/30現在、在庫があるショップも僅かにあるが、14日時点に比べると、割高になっている。)

以上 


2011-01-20

Hyper-V ゲスト OS 用仮想ハードディスクが膨れ上がって大慌て (イベントID 16060)

Hyper-V のゲスト OS が一斉に一時停止になってさあ大変

 Hyper-V のゲスト OS から共有しているフォルダにアクセスしようとすると、ネットワークリソースにアクセスできないという旨のメッセージが出ました。



 そこで、Hyper-V マネージャーを見てみると、すべてのゲスト OS が一時停止状態となっていたため、イベントビューアを調べてみると、以下のエラーが記録されていました。
 このエラーは、イベントビューアより、「アプリケーションとサービスログ」→「Microsoft」→「Windows」→「Hyper-V-VMMS」から参照することができます(イベントID 16060)。




 どうやら、ゲスト OS 用に割り当てた仮想ハードディスク (.vhd) が膨れ上がってしまい、ハードディスクの空き容量が少なくなってしまったたために、登録されているすべてのゲスト OS が Hyper-V の 仮想マシン管理サービスプロセス(VMMS)によって一時停止状態となったようです。

 仮想ハードディスクが膨れ上がった原因を調べてみると、次のことがわかりました。

  1. 仮想ハードディスクの形式が可変になっていた。

  2. スナップショットが複数存在していた


 上記のために、いつの間にか膨れ上がった仮想ハードディスクが実際のハードディスク領域を圧迫していた模様です。

こうなったら仮想ハードディスクを固定にするしかない

 限りあるコンピュータ資源であるハードディスクの空きがあまりないということで、今回のような現象が発生すると、これ以上仮想ハードディスクが膨らまないように対応するしかありません。

 仮想ハードディスクの形式を可変から固定に変換すれば、ディスク容量はそれ以上は大きくなりません。
 仮想ハードディスクの形式を可変から固定に変換する作業自体はそれほど難しくはないのですが、スナップショットが存在する場合は、先にスナップショットを親仮想ディスクに結合しなければなりません。

 以下のような仮想ハードディスク構成になっているとします。

Windows Server 2000 x86.vhd <--- 親仮想ディスク
  Windows Server 2000 x86[ユニークID].avhd <--- 差分仮想ディスク1
  Windows Server 2000 x86[ユニークID].avhd <--- 差分仮想ディスク2
  Windows Server 2000 x86[ユニークID].avhd <--- 差分仮想ディスク3(最新)

 上記で.avhd がスナップショットで作成される差分仮想ハードディスクとなります。
 このように、一つでも差分仮想ハードディスクが存在する場合は、ディスク形式を変換する前に親ディスクにディスクを結合しなければならなくなりますので、注意が必要です。

 上記の例では 3 の差分仮想ハードディスクが最新となっていますので、3、2、1 の順に計 3 回の結合作業が必要となります(3 回結合が完了すると、Windows Server 2000 x86.vhd だけになる)。


差分仮想ハードディスクの結合方法

 差分仮想ハードディスクを親仮想ディスクに結合するには、ゲスト OS をシャットダウンしてから、ディスクを解除します。

1. Hyper-V マネージャより、当該のゲスト OS を選択して設定画面を開き、下図のように IDE コントローラーから仮想ディスクを削除し、“適用”ボタンをクリックします。



 「削除」という表現が紛らわしいですが、Hyper-V の管理下から解除されるという意味ですので、仮想ハードディスク自体はそのまま残ります。

2. 下図のように、Hyper-V のマシン名をマウスで右クリックするとサブメニューが開きますので、その中から「ディスクの編集(E)...」というメニュー項目を選択します。



 仮想ハードディスクの編集ウィザードが開きますので、以下のように最新の差分仮想ディスク(.avhd)を指定します。



3. 仮想ハードディスクに対するアクションを選択するための画面に移りますので、下図のように「結合(M)」を選択し、“次へ”をクリックします。



4. 差分ディスク変更の結合をするための画面に映りますので、下図のように「親仮想ハードディスクに結合する(P)」を選択し、“次へ”をクリックします。



5. 以下のような確認画面が表示されますので、この内容でよければ“完了(F)”をクリックします。
差分仮想ハードディスクが親仮想ハードディスクに結合されます。



注意)この手順を繰り返し、すべての差分仮想ハードディスクを親仮想ハードディスクに結合する必要がありますので、ディスク領域に余裕のあるハードディスク上でこの操作を行ってください。


仮想ハードディスクを最適化する

 上記で差分仮想ハードディスクがすべて結合されると、ディスクの中は下図のように仮想ハードディスクのみになります。



 仮想ハードディスクのサイズ形式を可変から固定に変換する前に、以下の手順で仮想ハードディスクを最適化することによって、不使用の領域を取り除いておくことをお勧めします。


1. 下図のように、Hyper-V のマシン名をマウスで右クリックするとサブメニューが開きますので、その中から「ディスクの編集(E)...」というメニュー項目を選択します。



2. 仮想ハードディスクの編集ウィザードが開きますので、先ほど結合した仮想ハードディスクを指定し、“次へ”をクリックします。



3. 仮想ハードディスクに対する操作のメニュー項目が表示されますので、その中から一番上の「最適化(C)」を選択し、“次へ”をクリックします。



4. 確認画面が表示されますので、操作内容が最適化になっていることと、指定した仮想ハードディスクが正しいことを確認してから、“完了”をクリックすると、仮想ハードディスクが最適化されます。



仮想ハードディスクのサイズ形式を可変から固定に変換する

 仮想ハードディスクを最適化した後は、サイズ形式を可変から固定に変換します。

1. 下図のように、Hyper-V のマシン名をマウスで右クリックするとサブメニューが開きますので、その中から「ディスクの編集(E)...」というメニュー項目を選択します。



2. 仮想ハードディスクの編集ウィザードが開きますので、先ほど結合した仮想ハードディスクを指定し、“次へ”をクリックします。



3. 仮想ハードディスクに対する操作のメニュー項目が表示されますので、その中から真ん中の「変換(V)」を選択し、“次へ”をクリックします。



4. 変換対象の仮想ハードディスクを選択するための画面に移りますので、先ほど最適化した仮想ハードディスクを選択してから、“次へ”をクリックします。



5. 確認画面が表示されますので、操作内容が「容量固定に変換」になっていることと、指定した仮想ハードディスクが正しいことを確認してから、“完了”をクリックすると、仮想ハードディスクのサイズ形式が固定に変換されます。




変換済みの仮想ハードディスクを Hyper-V のIDE コントローラに繋ぎ直す

 これで仮想ハードディスクのサイズ形式が固定になりましたので、Hyper-V の IDE コントローラに繋ぎ直して起動できれば操作は完了です。


1. Hyper-V マネージャより、当該のゲスト OS を選択して設定画面を開き、下図のように IDE コントローラーを左ペインで選択し、右ペインで「ハードドライブ」を選択してから“追加(D)”ボタンをクリックします。




2. 仮想ハードディスクファイルを選択する画面に移りますので、“参照(B)...”をクリックして先ほどサイズ形式を固定に変換した仮想ハードディスクを選択してから、“適用(A)”をクリックします。




3. IDE コントローラに仮想ハードディスクが適用されると、“適用(A)”ボタンが灰色反転しますので、“OK”をクリックします。



4. 今回適用したハードディスクを使ったゲスト OS を起動し、問題なく操作できれば完了です。


 今回の障害で得られた教訓は次のとおりです。

1) 最初に仮想ハードディスクを割り当てる際は、予想されるディスク容量の形式を固定にする。
2) スナップショットはある時点のシステム状態を再現するには便利な機能だが、仮想ハードディスク絡みのトラブルが発生して最適化や変換が必要になった場合に、すべてのスナップショットを一旦親ディスクに結合しなければならなくなるので、スナップショットを多用するのは得策とは言えない。

2010-09-13

Hyper-V を導入中の Windows Server 2008 を Windows Server 2008 R2 にアップグレードする方法

 Windows Server 2008 → Windows Server 2008 R2 へのアップグレードについては Microsoft 社の技術ページや個人サイトでも参考になるページがいくつかありますが、すでに Hyper-V を導入中の Windows Server 2008 を R2 にアップグレードする方法を紹介します。

注意:本ブログの投稿内容は当方の環境での動作検証記録を紹介しているにすぎません。情報はあくまでも参考程度にご利用ください。

1. サーバ環境のバックアップを取る。
 重要度の高いサーバを扱う場合は、全く同じ構成の予備機を用意しておくのがベストと言えますが、マシンに余裕がない場合でも外部メディアに OS 全体のバックアップを取り、ホスト OS、ゲスト OS ともにいつでも復旧できる状態にしておきます。
 DNS、Web、メールサーバなどを運用している場合は、設定内容のエクスポートおよび設定ファイル群のバックアップコピーを取っておきます。

2. Hyper-V のすべてのゲスト OS をエクスポートする。
 Hyper-V のすべてのゲスト OS をシャットダウンしてから、Hyper-V マネージャよりそれらの OS を外部メディアにエクスポートします。
 ゲスト OS のエクスポート方法は以下のサイトが参考になると思います。
Hyper-Vの仮想マシンをエクスポート/インポートする

3. Windows Server 2008 R2 をインストールする
 開いているアプリケーションをすべて終了させた後で、Windows Server 2008 R2 インストールディスクを挿入します。
 起動してきたインストーラがインストールの種類を尋ねてきますので、「アップグレード」を選択してアップグレードインストールを実行します。

 アップグレードの所要時間は元のインストール構成に左右されると思いますが、当方の場合は約 2 時間半ほどかかりました。

4. コンピュータのプロパティより、プロダクトキーを更新する
 アップデート直後は古い Windows Server 2008 のプロダクトキーが設定されたままになっていますので、Windows Server 2008 R2 用のプロダクトキーを入力しなおします。


5. Hyper-V マネージャを起動して、元のゲスト OS 群を起動してみる。
 たいていの場合は元のゲスト OS 群の状態は保持されているはずですので、普通に起動されてくると思いますが、当方ではゲスト OS のうち一つがファイルが見つからないという理由で起動に失敗しました。
 当方の場合はそのゲストOS の仮想マシン設定で物理 CD/DVD ドライブが「不明」になっていたため、ドライブ文字('D')の再割り当てを行うことで事なきを得ました。
参考サイト:Hyper-Vにおける仮想OSの起動エラー

 万が一、アップグレードの過程で Hyper-V の仮想ディスクや設定ファイル群が破損してしまい、起動ができなくなってしまった場合は、上記 2. の手順でエクスポートしておいたゲスト OS 環境をインポートするようにします(当方では Hyper-V 環境はアップグレード後も無事に動いたため、今回はインポート作業は行っていません。)。

 インポートの仕方は以下のサイトが参考になると思います。
Hyper-Vの仮想マシンやスナップショットをエクスポート/インポートする(Hyper-V 2.0編)

その他の参考サイト:
Hyper-V の役割がインストールされた Windows Server 2008 を実行しているコンピューターを Windows Server 2008 R2 にアップグレードする方法
[PC]Windows Server2008をR2にアップグレード。 ←おすすめ。

Hyper-V でゲスト OS として Windows Server 2000 を導入した際の Panda エラー発生条件

 以前投稿したPanda のせい?複数のサーバで障害多発に関連して、当方で検証済みの Hyper-V ゲスト環境における Windows Server 2000 の Panda エラー発生条件を以下のようにまとめてみました。
(Panda エラーとは、Panda Office Cloud Protection を導入した環境において、Panda が原因で発生したシステムエラー/アプリケーションエラーを指します。)

ホスト OSPanda 導入動作結果
Windows Server 2008 64bitOK
Windows Server 2008 64bitNG
Windows Server 2008 64bit有(再インストール)NG
Windows Server 2008 64bit R2OK
Windows Server 2008 64bit R2NG
Windows Server 2008 64bit R2有(再インストール)OK

 上記のように、Hyper-V ゲスト OS としてインストールされている Windows Server 2000 環境で Panda を動作させるには、ホスト OS となる Windows Server 2008 を R2 にアップグレードし、Panda を再インストールする必要があることがわかりました。

2010-09-03

Panda のせい?複数のサーバで障害多発

 最近になってやたらとサーバ機の不具合が多発するため、試しに Panda をアンインストールしてみたら突然快調に動き出したので、どうやら Panda が障害を引き起こしている可能性が高いと思い始めています。

 弊社が遭遇したトラブルを以下にまとめてみました。
 ちなみに、Windows Server 2008 で使用している Hyper-V は OS に付属のものを使用しています。

Windows Server 2008 32bit
現象:Blue Screen 障害の後、勝手にサーバ機が再起動するという現象が二ヶ月ほど前から断続的に発生。
サーバ機の診断を行うと、NIC がユーザによって無効になっているというメッセージが表示される(実際は NIC は動作しており、ネットワーク接続も可能となっている)。

Windows Server 2008 64 ビット環境の Hyper-V のゲスト OS としてインストールされている Windows Server 2000
現象:起動に 5 分以上かかり、ネットワーク関連のイベントエラーが大量に記録される。
常時起動させたままにしている FileMaker 5.5 Unlimited で開いているネットワーク共有データベースが切断されることがある。

* ちなみに、別サーバ機の Windows Server 2008 64 ビット R2 の Hyper-V のゲスト OS Windows Server 2000 の Panda は問題なく動作しているようです。

Windows Server 2003
現象:自動バックアップを実行する時間になると、ネットワークが一時的に遮断される。

 上記いずれも Panda をアンインストールした途端に快調に動き出します。

 また、以下の環境ではまだ Panda のアンインストールはしていなのですが、現象が現象だけにどうしても Panda の影響を疑いたくなってきています。

Windows Server 2008 64 ビット環境の Hyper-V のゲスト OS としてインストールされている Windows Server 2003
現象:起動が若干遅い。FileMaker Server 10 の起動に時間がかかる。また、FMS 10 の管理ツールの起動にも時間がかかるだけでなく、データベースが自動公開されない。
(仕方なくいつも手動で公開するが、すぐに公開された試しがない。)

 今まで Hyper-V 搭載機で Panda エンジンの自動更新後の不具合で散々泣かされてきていますが、今度は通常の OS インストールで使用中のサーバ機にも影響が出てきているため頭が痛いところです。

 本記事はまだ記述中ですが、今後解決策が見えてきたところで情報を更新したいと思います。

2010/09/13追記:
 Windows Server 2008 32bit のBlue Screen 障害は、NIC の再インストール、Panda の再インストールを行った後に診断ツールでのエラーが解消しました。こればかりでは Blue Screen 現象自体が解決したとは言い切れませんが、診断ツールが警告を出さなくなったという点では、Panda 絡みの問題が発生していたと考えても良いと思います。

 Windows Server 2008 64 ビット環境の Hyper-V のゲスト OS としてインストールされている Windows Server 2000 でのイベントエラー大量発生については、Windows Server 2008 を R2 にアップグレードしてから Panda を再インストールしたらエラーイベント記録が治まりました。

 結論としては、Panda 導入によるマシン環境の不具合は、どうやら OS のバージョンや構成に依るところが大きいようです。
 当方で検証したエラー発生条件については改めて投稿します。

2010-07-06

Panda Cloud Office Protection 保護エンジンのアップデート と Hyper-V の 問題は健在

 2009/12/08 の投稿「Panda Cloud Office Protection エンジン更新後に Hyper-V 搭載サーバ機でトラブル発生」で、Panda Cloud Office Protection エンジン更新後に NIC の挙動がおかしくなる件について述べましたが、この現象は今もなお健在です。

 当方では 2010/07/06 02:025:21 に保護エンジンのアップデートが行われた模様で、今朝出社してみたところホスト OS、ゲスト OS 共に NIC の動作が不安定な状態となっており、暫く操作すると Hyper-V 環境のすべてのゲスト OS にまともにアクセスできなくなってしまいました。

 幸い、前述の経験を活かして仮想 NIC の削除、追加を行って何とかネットワークを復旧させましたが、Hyper-V でサーバ運用をバリバリ行っている場合にはこのようなトラブルは非常に迷惑であり、業務が滞ってしまうため、Panda Software 社には是非この点を改善していただきたいところです(前回本トラブル発生時に改善を求めるメールを送ったのですが、この様子ですと残念ながら放置されたままのようですね)。

 愚痴はこの辺にしておきますが、もし Hyper-V 環境に Panda Cloud Office Protection をインストールされている方で、急にネットワークの挙動がおかしくなったという方は、前述の記事が参考になればと思います。

 また、次回の保護エンジンアップデート時にこのようなトラブルが発生しないようにするためにも、プロファイルにある[アップデートの詳細設定]の[保護エンジンのアップデート]オプションを無効にしておくことを強くお勧めします。

 手動で保護エンジンをアップデートしたあとにネットワークの挙動がおかしくなるのは恐らく避けられないでしょうから、仮想 NIC 削除、追加作業は必要になると思います。

 朝来てみたらネットワークがダウンしていて、冷や汗かきながら原因を突き止めたところ実は Panda が原因だったとわかるまでに数時間無駄にすることを考えれば、手動で保護エンジンをアップデートした方がまだマシ、と考えるべきなのかもしれません。

2010-04-28

Hyper-V のゲスト OS として bkf アーカイブを復元してみる(2/2)

 さて、前回の ASR バックアップセットによる自動復旧の失敗を踏まえ、今回は Hyper-V のゲスト OS 環境に Windows Server 2003 をインストールした後で、手動でシステム情報を復旧する方法について記述します。

【操作方法】
1. ゲスト OS に Windows Server 2003 をインストールする。
 Hyper-V の仮想マシン設定については割愛します。
 Windows Server 2003 の仮想マシンへのインストールについては、過去記事(Hyper-V にゲスト OS をインストール(覚え書き))で紹介しているとおり、SP2 以降のインストールディスクを使用しなければブルースクリーンが出てクラッシュするので注意が必要です。

2. 1. でインストールした Windows Server 2003 をネットワークに参加させる。
 既存ドメインや既存ワークグループへ参加させるようにゲスト OS の Windows Server 2003 の設定を変更して、ネットワーク経由でバックアップアーカイブ(.bkf) にアクセスできるようにしておきます。

3. バックアップツールを起動し、復旧コマンドでシステム状態を復旧する。
 ゲスト OS より「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」→「バックアップ」の順に選択してバックアップツールを起動し、「復元ウィザード(詳細)(R)」をクリックします。



 すると復元ウィザードが表示されますので、2. のネットワーク上に配置されているバックアップアーカイブを指定し、左ペインの[System State]項目にチェックを付けます。
(バックアップアーカイブは DVD-R に焼いたものをゲスト OS に認識させても構いません。)



 “次へ”をクリックすると、以下のような警告メッセージが出ますので、本当にシステム状態がバックアップのもので上書きされても良ければ“OK”をクリックして復元を実行します。



【システム状態復元によって発生する不具合】
 前述の操作によってシステム状態を復元すると、旧環境のシステム状態が引き継がれた形となりますので、次のような問題が起こります。

1) コンピュータ名の重複
 同一ネットワーク上に同じコンピュータ名のマシンが複数台存在すると、警告メッセージがデスクトップに表示されます。
 新環境の方のコンピュータ名を適切なものに変更するか、旧環境のコンピュータをネットワークから切り外してください。

2) IP アドレスの重複
 コンピュータ名と同様に、同一ネットワーク上に複数の同一 IP アドレスを割り当てることはできませんので、新環境または旧環境の IP アドレスを適切なものに変更してください。

3) Windows のライセンス認証の不具合(特に注意)
 上記 1)、2) を行う前に、Windows ライセンス認証を促すメッセージが表示された場合、その時点で仮想ネットワークカードが動作停止状態となるため、インターネット経由でのライセンス認証はできなくなります。
 このため、認証手続きはライセンス認証ウィザードの電話認証の手続きを選択し、音声ガイダンスに従って認証を行う必要があります。

4) アンチウィルスソフトを始めとする、システム関連ソフトウェアの再インストール
 システム状態復旧ではソフトウェアまでは復旧されないため、Windows Server 2003 起動時にソフトウェアがインストールされていないという旨のエラーメッセージが表示されることがあります。必要に応じてインストールし直してください。

5) 旧環境で発生していたイベントエラー
 旧環境のシステム状態を復旧した場合、旧環境で発生していたイベントエラーの一部がそのまま継承されることがあります。
 イベントビューアで発生しているエラーを調べ、必要に応じて修正する必要があります。

 その他の不具合や問題点などは見つけ次第こちらに記述していく予定です。

 今後の課題としては以下のものがありますが、また機会ができたときに対応したいと思います。

1. 複数ボリュームを持つ BKF の Hyper-V ゲスト OS への復旧
2. VHD の復旧

2010-04-27

Hyper-V のゲスト OS として bkf アーカイブを復元してみる(1/2)

 既存の Windows Server 2003 サーバ機の環境を Hyper-V のゲスト OS にごっそり移行してみようということになり、試してみたのですが Hyper-V では自動システム回復 (ASR) セットからの復旧はやはり無理があることがわかりました。

 今回は失敗談を踏まえて、手動によるシステム状態の復旧までをまとめることにします。

 操作にあたり、以下のMicrosoft 社の技術情報ページを参考にしました。
 ハード的に独立したマシンを準備して、ページの記載どおりに操作すれば復旧はそれほど難しくないのではないかと思います。
Windows Server 2003 のデータをバックアップおよび復元する

 今回は Hyper-V のゲスト OS 環境で復旧作業をするということで、以下の問題がネックとなりました。

A. フロッピーディスクをどうやってゲスト OS に認識させるか。
 自動システム回復 (ASR) を行う場合は、元環境のパーティション情報はフロッピーディスクに記録されているため、フロッピーディスクを読み込ませる仕組みが必要となります。
 しかし Hyper-V のゲスト OS 環境では、物理的なフロッピーディスクを認識できないため、フロッピーディスクのイメージファイルを仮想フロッピーディスクファイル(.vfd)として保存し、それを読み込ませる必要があります。

 .vfd ファイル(イメージファイル)を作成するツールは Microsoft 社では提供されていないため、適当なツールをどこからか調達する必要があります。

 今回は K.Takata さんが公開している Read/Write FD というツールを使いました。
  Read/Write FD の仕様およびダウンロードページはこちら

 使い方は仕様のページに書かれているとおりですが、フロッピードライブを丸ごとイメージファイル化するには次のように指定します(.vfd 拡張子前のファイル名は任意です)。

 rwfd a: c:\fdimageW2003.vfd

 この操作で作成した .vfd ファイルをゲスト OS に認識させるための設定を行います。
 この .vfd ファイルは Hyper-V のホスト OS の適当な場所に保存しておきます(今回は f:\に入れることにします)。
 Hyper-V マネージャを開き、Windows 2003 用の仮想ハードディスクを割り当てた後で、設定を開き、以下の図のように仮想フロッピーディスクを割り当てて適用させます。
 


 この操作を行うことによって、ゲスト OS からフロッピーディスクを仮想的に読み込ませることが可能となります。

B. バックアップアーカイブ(.bkf)をどうやってゲスト OS に認識させるか。

 ASR による自動システム回復を行うにあたり、途中で .bkf の指定を求められるわけですが、Windows 2003 のインストーラでは、このファイルの配置場所として物理的に接続されている HDD デバイスを想定しているようで、ここで躓いてしまいました。
 この時点で自動システム復旧操作は断念せざるを得なかったわけですが、操作としてはなかなか面白いものでしたので、掲載することにします。

【操作手順】
1. ASR バックアップセットを作成する。
「スタート」→「すべてのプログラム」→「アクセサリ」→「システムツール」→「バックアップ」の順に選択すると、次のような画面が表示されるので、[常にウィザードモードで開始する]のチェックボックスを外して一度“キャンセル”をクリックしてプログラムを終了させます。



 もう一度バックアップツールを開くと、今度はバックアップウィザードが開きますので、画面一番下の「自動システム回復ウィザード(A)」を選択します。



 すると自動システム回復の準備ウィザードが開きますので、図のようにバックアップアーカイブ名を指定します(.bkf 前のファイル名は任意です)。
 “次へ”をクリックすると、バックアップが始まります。



注意:この操作を行うにあたり、パーティション情報がフロッピーディスクに書き込まれます(前述の仮想フロッピーの記述参照)。このため、フォーマット済のフロッピーディスクをフロッピーディスクドライブに入れておいてください。

 フロッピーディスクを作り忘れてしまった場合は、手動でも作成できます。
 フォーマット済のフロッピーディスクを用意し、C:\WINDOWS\repair\ 配下の asr.sif および asrpnp.sif をこのフロッピーディスクにコピーしてください。

2. Hyper-V 環境を準備する。
 Hyper-V 環境にゲスト OS 用の領域を割り当てておきます。
 このとき、システムドライブとなる vhd の容量は移行元のシステムドライブの容量と同じか、それ以上になるように設定します。
 この時点で前述にあったとおり、仮想フロッピーの設定も行います。

3. Windows Server 2003 インストーラーディスクを入れてゲスト OS を起動し、途中で ASR による復旧モードに入る。

 インストーラーディスクを入れてゲスト OS を起動するとインストールが始まります。
 程なくして Press F2 to run Automated System Recovery (ASR) というメッセージが画面下に表示されますので、ここで F2 キーを押すと、次の画面に切り替わります。



 フロッピーディスクを入れてくださいというメッセージですが、すでに仮想フロッピーディスクを設定してありますので、任意のキーを押すことによって、次のような画面が表示されます。



 C キーを押してパーティションの削除、修復を行うと、システムが一旦インストールされます。

 ある程度までインストールが進むと、インストーラがシステム状態のバックアップアーカイブを読み込もうとして以下のエラーが発生します。



 ローカル環境にバックアップアーカイブが無いのでこのようなエラーが発生するのは当然と言えば当然ですが、上記 1. の手順で作成した .bkf ファイルを DVD-R に焼いて読み込ませようとしても、この段階では Windows Server 2003 のインストーラが DVD ドライブの認識を行っていないようで、このバックアップアーカイブを読み込ませることができなかったため、この時点で自動復旧操作は断念しました。

 もし、同じような方法で ASR 操作がうまく行った方がいらっしゃったら、情報をいただけると幸いです。

 次回は手動システム復旧と、復旧後の注意事項についてまとめます。

2009-12-08

Panda Cloud Office Protection エンジン更新後に Hyper-V 搭載サーバ機でトラブル発生

 Panda Managed Office Protection(以降MOP)がクラウド型エンドポイントセキュリティサービスの Panda Could Office Protection(以降COP) として 2009年12月1日より新サービスとして提供が始まったことに伴い、11月下旬から順次既存ユーザへのエンジンアップデートが行われました。

 今月に入ってから弊社環境でも COP エンジンの自動アップデートが行われ、つい昨日アップデート後のサーバ機の再起動を行ったわけですが、Hyper-V 搭載サーバ機では再起動時にネットワークカード(以降NIC)の挙動がおかしくなることを確認したため、今回はその現象と対応方法をまとめます。

【現象】
 COP エンジンの自動アップデート後にサーバ機の再起動を促すメッセージが出るが、ここで再起動をかけると、Hyper-V を運用中のサーバ機の NIC が正常に動作しなくなる。
 Ping チェックを行うと、実体 NIC、仮想 NIC 共に Ping 応答が断続的になったり、まったく応答がなくなったりする。

【対応方法】
 この現象は前回のMOPエンジン更新時にも発生し、当方で試したかぎりでは以下に示す方法以外では成功したことがありません。

1. Hyper-V マネージャの右ペインのメニュー項目より「仮想ネットワーク マネージャ」を選択し、稼働中の仮想ネットワークカードをすべて削除します。(削除前に設定情報はメモしておいてください)

2. Ping テストやインターネットブラウジングなどを行い、実体 NIC が正常に動作するようになっていることを確認します。
 仮想ネットワーク マネージャに戻り、左ペインより「新しい仮想ネットワーク」を選択して、右ペインで“追加”ボタンを押して新しい仮想 NIC を追加します。

3. Hyper-V マネージャの仮想マシンリストにある仮想マシンを右クリックし、表示されるサブメニューより「設定...」を選択します。
 当該仮想マシンの設定画面が表示されるので、左ペインより「レガシ ネットワークアダプタ」を選択し、上記で追加した仮想 NIC を割り当て直します。

この操作をすべての仮想マシンについて行います。
4. 仮想マシンを再起動し、Ping テストやネットブラウジングを行い、仮想 NIC が正常に動作するようになっていることを確認します。

この件については Panda にも現象を報告済みですが、もし上記の方法以外で有効な対応方法をご存じの方は情報提供していただけると大変有難いです。

2009-01-16

brother 複合機 MFC-820CN の設定方法(送受信環境となるマシンの移行方法)

 brother 複合機 MFC-820CN を通常の Fax, プリンタ、スキャナとして使うことはもちろんのこと、ネットワーク上のコンピュータに接続することによって、受信した FAX を当該コンピュータ上に保存できるため、ペーパーレス化を図ることができます。

 今回は、あるコンピュータに設定されている MFC-820CN ソフトウェア・ドライバ環境を別の環境に移行する方法について説明します。

 MFC-820CN に付属の CD では、今のところ対応 OS が Windows 98/98SE/Me/2000 Professional/Windows XP, Mac OS9.1~9.2/Mac X 10.24 以降とあるので、それ以外の環境に入れようとするとインストールチェックで弾かれてしまうようです。現に Windows Server 2003、Windows Server 2008 に入れようとしたら見事弾かれてしまいました。
 というわけで、今回は Hyper-V のゲストOS となっている Windows Server 2000 に入れることにしました。

 手順は次のとおりです。

1. brother MFC-820CN に Ethernet ケーブルを接続し、LAN に参加させ、接続対象のコンピュータも LAN に参加させておく。
2. 付属の CD-ROM を使ってドライバとユーティリティソフトウェアをすべてインストールする。インストール時の接続オプションとして、「有線LAN接続」を選択してインストールを続行する。
3. すべてうまくインストールできたら、「スタート」→「プログラム」→「brother」→「MFC-820CN」→「リモートセットアップ」→「MFC-820CN」の順に選択。MFC-820CN 本体の現在の設定内容がダウンロードされてくるので、それを参考に設定を修正する。
 特に修正が必要なのは、MFC-820CN 本体に割り振る IP アドレスと、受信した Fax の扱いとなる。
 受信した Fax を印刷せずにファイルとしてコンピュータに保存する場合は、以下のように設定する。



 この後“OK”をクリックすると、設定内容が MFC-820CN にアップロードされる。

4. 「スタート」→「プログラム」→「brother」→「MFC-820CN」→「PC-FAX 受信」→「MFC-820CN LAN」の順に選択し、Fax 受信プログラムをタスクトレイに常駐させる。Fax が受信されるとこのアイコンが緑色から青色に変化し、受信された Fax は Presto! FileManager を使うことによって照会できる。

Presto! FileManager のデータファイルの移行方法
以前の環境の Presto! FileManager のデータ情報を新しい環境に移行するには、My Documents\My PageManager 配下のファイル群を新しい環境の同じ場所にコピーします。

Hyper-VゲストOSからUSB/eSATA対応外部ディスクを使う

 以下のページによると、バーチャルマシンは USB をサポートしないとあります。

次世代仮想化プラットフォーム「Hyper-V」研究
http://www.windows-world.jp/news/-/102390-2.html

Virtual Server 2005 R2以前、バーチャルマシンは非常にレガシーなハードウェアをエミュレートするものであった。エミュレートされるチップセット「Intel 440BX」は1998年の登場で、最大1GBのメモリに対応し、初めてACPI(Advanced Configuration and Power Interface)の電源機能とUSB(Universal Serial Bus)を実装したことで有名だ(バーチャルマシンはUSBをサポートしない)。


確かに今の設定では Hyper-V ゲスト OS 環境では USB が認識されない模様ですが、もっと確実な情報が収集できたところで、こちらの記事に情報を追加していきます。

2010/01/12更新
USB 接続された HDD をパススルーディスクと認識させるのは依然として無理なようですが、その代りに仮想ハードディスクを作成し、それを追加ドライブとして Hyper-V のゲスト OS に認識させることは可能ですので、ここにその方法を記述します。

1. ゲスト OS が起動中の場合は終了させます。外付け HDD はホスト OS からアクセス可能な状態にしておきます。
 Hyper-V マネージャの当該ゲスト OS の設定画面(ここでは Windows Server 2003)を開き、図のように新規の IDE コントローラにハードドライブを追加します。


 追加したハードドライブに仮想ハードディスクを割り当てます。“新規”ボタンを押すと、仮想ハードディスク作成ウィザードが表示されますので、指示に従って外付け HDD に仮想ハードディスク領域を割り当てます。

 “適用”ボタンを押し、変更を反映させます。

2. ゲスト OS を起動します。起動直後は、上記で追加した仮想ハードディスクは認識されない状態ですので、管理ツールから「コンピュータの管理」を起動し、「記憶域」配下の「ディスクの管理」を選択すると、以下のようにウィザードが表示されます。

 このウィザードは、追加された仮想ハードディスクをゲスト OS に認識させるためのディスク変換を行うためのものですので、指示に従ってディスク変換を行います。

3. ディスク変換直後はボリュームにドライブ名が付いていない状態ですので、変換したディスクを右クリックして、ボリュームドライブの割り当てとディスクフォーマットを行います。
 ドライブ割り当てとフォーマットが終了すると、以下のようになります。


 エクスプローラーで確認すると、この仮想ハードディスクが E: ドライブとして認識されていることがわかります。


 eSATA 接続された HDD についても、同様の方法で仮想ハードディスクを追加ドライブとして設定することができます。

(2010/04/27追記)
 同一の HDD に複数の vhd を事前に作成しておき、複数のゲスト OS に割り当てて認識させることも可能です。