サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)
*FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。
FX.php は MySQL データベースへの接続にも対応しているため、アンケートフォーム作成の延長として、今回は既存のコードに MySQL データベースへのデータ書込機能を実装してみることにします。
* 操作にあたっては、MySQL Server がインストールされていることが前提となりますので、予め MySQL Server のインストールと、文字化け対策のためにデフォルト文字セット(utf8)が有効になるように設定しておいてください。
まずは、データベースを準備します。付属の create_table.php の $rootPass に MySQL の root パスワードを設定して同スクリプトを保存し、local の web サーバで実行してみてください。Comment データベース、cgi テーブル、webuser とそのパスワードが生成されます。作成するテーブル列は、create_table.php を参照してください。
以下、次の順に Comment.php へコードを追加していきます。
1.使用するデータベース種別を MySQL にします。
2.接続先の MySQL サーバポート番号を指定します。デフォルトは 3306 です。
3. あとは既存の FX.php 接続とほぼ同じですが、最後のデータ書き込みのところで、FMNew() の代わりに PerformSQLQuery() 関数を使います。引数は第一パラメータに SQL クエリ文を指定し、残りはデフォルト値を指定します。
PerformSQLQuery($query,true,false,'object');
この部分をコードで表したものが次のとおりです。(列名)と値を使って $query SQL クエリ文をセットし、次の PerformSQLQuery で指定して実行します。
FX.php & MySQL の組み合わせで実行可能になっているコードを Comment_mysql.php に用意してありますので、併せて確認してみてください。
参考リンク:
MySQL オフィシャルサイト
2008-07-11
【応用その4】FX.php を使ってアンケートフォームを MySQL 対応にしてみる
2008-07-09
【応用その3】アンケートフォームにセッションを追加してみる(リロード対策)
サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)
*FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。
PHP 経由で FileMaker データベースにデータ書込を行う手法として、簡易アンケートフォームの作り方をベースに説明を進めてきました。
すでにお気付きの方もいらっしゃるとは思いますが、実はこのままでは実際の運用には不向きな部分があります。
それは、最後のお礼ページです。
このページが表示される直前に FileMaker データベースへのデータ書込とメール送信を同時に行うわけですが、Web ブラウザのリロードボタンを押してページをロードするたびに同処理が実行されてしまうため、ゴミデータとゴミメールが増えてしまう可能性があります。
実際問題として、お礼のページをリロードしてしまうユーザも結構多かったりするので、リロード操作が行われてもデータ送信、メール送信は一回だけ実行するような仕組みが必要となります。
これを効率よく処理する方法として、PHP のセッションをここで組み込んでみることにします。
PHP のセッションはスーパーグローバル配列と呼ばれ、読み込まれたページにかかわらず値を保持しておくことができるものです。FileMaker のグローバル変数に共通している部分もあるので、そう捉えると理解しやすいと思います。
ユーザによるページリロード対策は、データ書込とメール送信が行われたかどうかを判断し、それが No なら書込・メール送信を許可、Yes なら不可にすればよいわけです。これをフラグを使って表現するとさらに明確になります。仮にフラグ名 を done フラグとしましょう。
未書込の状態 --- done フラグはオフ (FALSE、偽)
書込済の状態 --- done フラグはオン (TRUE、真)
done フラグがオフ(FALSE)のときに書き込みを実行し、その操作が終わったら done フラグをオン(TRUE) にします。
この値をセッションに入れておくことで、ページが何度リロードされても呼び出しはセッションから行うため、一度オンになったフラグはオフになることはありません。
この処理を PHP で記述すると次のようになります。
1. セッションの開始と有効期限を決めます。
セッションの有効期限のデフォルトは 180 分ですが、簡易アンケートで特に詳細な確認が必要なわけではないため、ここでは有効期限を 5 分にしています。5 分経過するとセッションは破棄されて無効となり、その後にページをリロードすると、白紙のページが表示されるようになります。
session_start() 関数でセッションを開始するわけですが、この関数は、セッションが存在しない場合は、新たにセッションを作成します。これに対し、セッションがすでに存在している場合はそのセッションを再度呼び出します。つまり、このアンケートフォームで言えば、最初にアンケート入力フォームのロードを行った時点でセッションの作成を行い、それ以降、ページがロードされたり次のステップに進むたびに session_start() 関数から同一のセッションを呼び出すわけです。
2. 次に、done フラグの初期化を行います。
初回ページロード時に一度だけ done フラグに FALSE (データベースへの書込とメール送信が行われていない状態)をセットします。
3. お礼のページを出すときに、done フラグが FALSE であることを確認し、それに該当すれば FileMaker データベースへのデータ書込とメール送信を行い、その後に done フラグに TRUE (データベースへの書込とメール送信が完了した状態)をセットします。
以下、赤線を引いた部分に注目してください(コードが長いため、中略を入れてあります)。
これでセッションの実装が終わりました。サンプルコードを使って動作を確認してみてください。
*FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。
PHP 経由で FileMaker データベースにデータ書込を行う手法として、簡易アンケートフォームの作り方をベースに説明を進めてきました。
すでにお気付きの方もいらっしゃるとは思いますが、実はこのままでは実際の運用には不向きな部分があります。
それは、最後のお礼ページです。
このページが表示される直前に FileMaker データベースへのデータ書込とメール送信を同時に行うわけですが、Web ブラウザのリロードボタンを押してページをロードするたびに同処理が実行されてしまうため、ゴミデータとゴミメールが増えてしまう可能性があります。
実際問題として、お礼のページをリロードしてしまうユーザも結構多かったりするので、リロード操作が行われてもデータ送信、メール送信は一回だけ実行するような仕組みが必要となります。
これを効率よく処理する方法として、PHP のセッションをここで組み込んでみることにします。
PHP のセッションはスーパーグローバル配列と呼ばれ、読み込まれたページにかかわらず値を保持しておくことができるものです。FileMaker のグローバル変数に共通している部分もあるので、そう捉えると理解しやすいと思います。
ユーザによるページリロード対策は、データ書込とメール送信が行われたかどうかを判断し、それが No なら書込・メール送信を許可、Yes なら不可にすればよいわけです。これをフラグを使って表現するとさらに明確になります。仮にフラグ名 を done フラグとしましょう。
未書込の状態 --- done フラグはオフ (FALSE、偽)
書込済の状態 --- done フラグはオン (TRUE、真)
done フラグがオフ(FALSE)のときに書き込みを実行し、その操作が終わったら done フラグをオン(TRUE) にします。
この値をセッションに入れておくことで、ページが何度リロードされても呼び出しはセッションから行うため、一度オンになったフラグはオフになることはありません。
この処理を PHP で記述すると次のようになります。
1. セッションの開始と有効期限を決めます。
セッションの有効期限のデフォルトは 180 分ですが、簡易アンケートで特に詳細な確認が必要なわけではないため、ここでは有効期限を 5 分にしています。5 分経過するとセッションは破棄されて無効となり、その後にページをリロードすると、白紙のページが表示されるようになります。
session_start() 関数でセッションを開始するわけですが、この関数は、セッションが存在しない場合は、新たにセッションを作成します。これに対し、セッションがすでに存在している場合はそのセッションを再度呼び出します。つまり、このアンケートフォームで言えば、最初にアンケート入力フォームのロードを行った時点でセッションの作成を行い、それ以降、ページがロードされたり次のステップに進むたびに session_start() 関数から同一のセッションを呼び出すわけです。
2. 次に、done フラグの初期化を行います。
初回ページロード時に一度だけ done フラグに FALSE (データベースへの書込とメール送信が行われていない状態)をセットします。
3. お礼のページを出すときに、done フラグが FALSE であることを確認し、それに該当すれば FileMaker データベースへのデータ書込とメール送信を行い、その後に done フラグに TRUE (データベースへの書込とメール送信が完了した状態)をセットします。
以下、赤線を引いた部分に注目してください(コードが長いため、中略を入れてあります)。
これでセッションの実装が終わりました。サンプルコードを使って動作を確認してみてください。
2008-07-04
【応用その2】FX.php を使ったアンケートフォーム作成 --- 従来のファイルメーカー Pro データベースで Web アプリケーション作成
サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)
*FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。
さて前回の FX.php 解説に引き続き、今回は FX.php を使って従来の FileMaker データベースにアクセスする方法について触れてみることにします。今回もまた、今まで使ってきたアンケートフォームにちょっと修正を入れるだけです。アンケートフォーム作成のおさらいが必要な方は、こちらを先にご覧ください。
FileMaker API for PHP を利用するためには、FileMaker Pro 9 と FileMaker Server 9 がインストールされていることが条件となるため、従来に比べるとコスト的に敷居が高くなってきています。安定したデータサーバ運用を目指すのなら、もちろんこれらを導入するのが確実ですが、FileMaker Pro 5.x/6 で機能的に十分に満足している方には、ちょっと手が出にくいパッケージであることも確かでしょう。
そこで、FX.php と FileMaker Pro 5.x/6 の Web コンパニオンプラグインを組み合わせてもデータベースへの書き込みを実現できるため、既存のシステムをそのまま Web 公開データベースとして活かすことも可能となります。
ただし、通常版は 10 アクセスユーザ数(10 IP アドレス)という制限が伴うため、現実的な運用にあたっては FileMaker Pro 5.x/6 Unlimited が必要になることは注記しておきたいと思います。
それでは実際に既存のサンプルコードを修正していくことにしましょう。
処理は前回の FX.php 接続とほぼ同じですが、今回はそれに加え、文字コードの変換が必要となります。
FileMaker Pro 9 では内部コードを UTF-8 で処理しているため、ソースが UTF-8 で記述されていれば問題はなかったのですが、FileMaker Pro 5.x/6 では内部コードを Shift-JIS で扱うため、このままデータを送るとエラーが起こったり、文字化けが発生してしまいます。
そこで、今までの処理に文字コード処理を追加します。
上記を FX.php の記述規則に従って置き換えると、次のようになります。
赤線を引いた部分と、赤で囲った部分が前回と異なってはいますが、その他はすべて同じです。
指定の通り、FX インスタンス作成時に、使用するデータソース(データベース)が FileMaker Pro5.x/6 であることを知らせます。
そして、データ送信前に文字コードセットを UTF-8 から Shift-JIS(SJIS) に置き換えます。
ただし、FMP7/8/8.5/9 に対してこの文字コード変換を行うとデータ書き込みに失敗してしまうため、必要に応じて、データソースが FMPro5/6 のときだけ文字コード変換を行うという条件を追加する必要があります。
この条件を追加するとこのようになります。
変数 $databaseType には、コードの最初の方で予め "FMPro9" もしくは "FMPro5/6" のいずれかを設定しておきます。こうしておくことによって、使用するデータソースに応じて処理を切り替えられるので便利です。
ソースの詳細は、サンプルコードをご覧になってみてください。
先に PHP ソースについて解説しましたが、最後に FileMaker Pro 5.x/6 データベースファイルの作成と設定方法について説明します。
1. データベースファイルを作成します。FileMaker Pro 5.x/6 を起動し、Comment.fp5 というファイルを作成し、以下のフィールドを作成します。
[RecID]、[作成日]、[作成アカウント]、[修正日]、[修正アカウント]は管理用のフィールドですが、作成しておくと便利でしょう。
2. レイアウト名を cgi に変更します。
3. 「アプリケーション環境設定」ダイアログを出し、プラグイン一覧より、Web コンパニオンにチェックを付けて「設定」ダイアログを開きます。
セキュリティに「ファイルメーカー Pro アクセス権」を指定し、TCP/IP ポート番号に 80、もしくは 591 を指定します。
4. ファイルの共有設定で、以下のようにチェックを付けることによって Web コンパニオンを公開します。
5. パスワードを指定します。図のように、web というパスワードを作成し、web で公開させる最低限のアクセス権を決めます。
この他にフルアクセスを許可するパスワードが必要となりますので、ここでは Admin を作成してあります。
以上で準備が整いました。
FMPro5/6 用の設定を施した comment_fp5.php というファイルをサンプルに用意してありますので、参照してみてください。
参考: FX.php vs FileMaker API Benchmarks Discussion(英文)
*FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。
さて前回の FX.php 解説に引き続き、今回は FX.php を使って従来の FileMaker データベースにアクセスする方法について触れてみることにします。今回もまた、今まで使ってきたアンケートフォームにちょっと修正を入れるだけです。アンケートフォーム作成のおさらいが必要な方は、こちらを先にご覧ください。
FileMaker API for PHP を利用するためには、FileMaker Pro 9 と FileMaker Server 9 がインストールされていることが条件となるため、従来に比べるとコスト的に敷居が高くなってきています。安定したデータサーバ運用を目指すのなら、もちろんこれらを導入するのが確実ですが、FileMaker Pro 5.x/6 で機能的に十分に満足している方には、ちょっと手が出にくいパッケージであることも確かでしょう。
そこで、FX.php と FileMaker Pro 5.x/6 の Web コンパニオンプラグインを組み合わせてもデータベースへの書き込みを実現できるため、既存のシステムをそのまま Web 公開データベースとして活かすことも可能となります。
ただし、通常版は 10 アクセスユーザ数(10 IP アドレス)という制限が伴うため、現実的な運用にあたっては FileMaker Pro 5.x/6 Unlimited が必要になることは注記しておきたいと思います。
それでは実際に既存のサンプルコードを修正していくことにしましょう。
処理は前回の FX.php 接続とほぼ同じですが、今回はそれに加え、文字コードの変換が必要となります。
FileMaker Pro 9 では内部コードを UTF-8 で処理しているため、ソースが UTF-8 で記述されていれば問題はなかったのですが、FileMaker Pro 5.x/6 では内部コードを Shift-JIS で扱うため、このままデータを送るとエラーが起こったり、文字化けが発生してしまいます。
そこで、今までの処理に文字コード処理を追加します。
- FX を使用することを宣言する(FX インスタンスを作成する)。
- 使用するデータベース名とレイアウト名を指定する。
- 使用するユーザ名とパスワードを指定する。
- データ送信時の文字コードを Shift-JIS に変換する。
- 追加するフィールドと、そのデータを指定する。
- レコード追加を実行する。
上記を FX.php の記述規則に従って置き換えると、次のようになります。
赤線を引いた部分と、赤で囲った部分が前回と異なってはいますが、その他はすべて同じです。
指定の通り、FX インスタンス作成時に、使用するデータソース(データベース)が FileMaker Pro5.x/6 であることを知らせます。
そして、データ送信前に文字コードセットを UTF-8 から Shift-JIS(SJIS) に置き換えます。
ただし、FMP7/8/8.5/9 に対してこの文字コード変換を行うとデータ書き込みに失敗してしまうため、必要に応じて、データソースが FMPro5/6 のときだけ文字コード変換を行うという条件を追加する必要があります。
この条件を追加するとこのようになります。
変数 $databaseType には、コードの最初の方で予め "FMPro9" もしくは "FMPro5/6" のいずれかを設定しておきます。こうしておくことによって、使用するデータソースに応じて処理を切り替えられるので便利です。
ソースの詳細は、サンプルコードをご覧になってみてください。
先に PHP ソースについて解説しましたが、最後に FileMaker Pro 5.x/6 データベースファイルの作成と設定方法について説明します。
1. データベースファイルを作成します。FileMaker Pro 5.x/6 を起動し、Comment.fp5 というファイルを作成し、以下のフィールドを作成します。
[RecID]、[作成日]、[作成アカウント]、[修正日]、[修正アカウント]は管理用のフィールドですが、作成しておくと便利でしょう。
2. レイアウト名を cgi に変更します。
3. 「アプリケーション環境設定」ダイアログを出し、プラグイン一覧より、Web コンパニオンにチェックを付けて「設定」ダイアログを開きます。
セキュリティに「ファイルメーカー Pro アクセス権」を指定し、TCP/IP ポート番号に 80、もしくは 591 を指定します。
4. ファイルの共有設定で、以下のようにチェックを付けることによって Web コンパニオンを公開します。
5. パスワードを指定します。図のように、web というパスワードを作成し、web で公開させる最低限のアクセス権を決めます。
この他にフルアクセスを許可するパスワードが必要となりますので、ここでは Admin を作成してあります。
以上で準備が整いました。
FMPro5/6 用の設定を施した comment_fp5.php というファイルをサンプルに用意してありますので、参照してみてください。
参考: FX.php vs FileMaker API Benchmarks Discussion(英文)
2008-07-03
【応用その1】FX.php を使ったアンケートフォーム作成
本記事は2008年に FileMaker 9 の環境下で執筆されました。2016年11月現在、FileMaker の最新バージョンは 15 となっていますが、15 においても本記事の内容はなお有効と思われます。
一方Ver 15 では WebDirect と呼ばれる 機能があり、これにより PHP などで Webプログラミングを行うことなく、 FileMaker デスクトップアプリとほぼ同様の操作がブラウザ上でも可能となります。WebDirect は開発が非常に楽になる半面、ライセンス費用やブラウザとの互換性等に問題があります。 したがって、高速開発性(RAD)を重視し、ブラウザ互換性をある程度無視できる環境では WebDirect は FX.php の代替となる可能性があります。
参考: アンケートシステム・プロトタイプ
一方Ver 15 では WebDirect と呼ばれる 機能があり、これにより PHP などで Webプログラミングを行うことなく、 FileMaker デスクトップアプリとほぼ同様の操作がブラウザ上でも可能となります。WebDirect は開発が非常に楽になる半面、ライセンス費用やブラウザとの互換性等に問題があります。 したがって、高速開発性(RAD)を重視し、ブラウザ互換性をある程度無視できる環境では WebDirect は FX.php の代替となる可能性があります。
参考: アンケートシステム・プロトタイプ
*FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。
さて、前回まで 4 回にわたって FileMaker API for PHP によるアンケートフォームの作成方法を解説してきましたが、今回はさらに FX.php による FileMaker データベースアクセス機能も実装してみることにします。
FX.php はiViking.org によって無償で提供されている FileMaker アクセスクラス群で、FileMaker Pro 5~ 9 に幅広く対応しているため、FileMaker API for PHP が実現できない環境のユーザでも FX.php を使うことによって php からのアクセスが可能となります。
インストール方法も簡単で、ダウンロードして解凍した FX フォルダを Web サーバの適当な場所に配置するだけです。
それでは実際にやってみましょう。
Comment.fp7 を開き、「アカウントとアクセス権の管理」ダイアログを出し、そこからすでに登録済の Webuser を選択して「アクセス権セット...」を選択して以下のダイアログを開きます。
FX.php は xml によるデータアクセスを行いますので、反転部分のように、「XML Web 公開でのアクセス- FMS のみ(fmxml)」にチェックを付けて保存します。
これで FileMaker の FX.php 向け Web 公開の準備が整いました。
さて、次は FX.php 向けのコードを追加していきます。
まずは、コードの最初の方で FX.php をロードします。今ある Comment.php から FX.php が辿れるように設定してください。
require_once '../../FX/FX.php';
そしていつものように、日本語で手順を考えてみます。
- FX を使用することを宣言する(FX インスタンスを作成する)。
- 使用するデータベース名とレイアウト名を指定する。
- 使用するユーザ名とパスワードを指定する。
- 追加するフィールドと、そのデータを指定する。
- レコード追加を実行する。
こうして見てみると、前回のデータベース書込手順とほとんど変わらないことがわかりますね。
あとは上記の内容を FX.php 向けに書き換えていくだけです。
一行目のデータベース接続にサーバ名、ポート番号、データソース名(FMpro9)を明示的に指定する必要がありますが、その他メソッド名に差異はあるものの、前回の FileMaker API for PHP のコードとさほど形式が変わらないことがおわかりいただけるでしょう。
サンプルコードの方に FX.php と FileMaker API for PHP の切り替え操作も盛り込んでありますので、併せて確認してみてください。
※サンプルコード
サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)
2008-07-02
FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成 (4/4)
本記事は2008年に FileMaker 9 の環境下で執筆されました。2016年11月現在、FileMaker の最新バージョンは 15 となっていますが、15 においても本記事の内容はなお有効と思われます。
一方Ver 15 では WebDirect と呼ばれる 機能があり、これにより PHP などで Webプログラミングを行うことなく、 FileMaker デスクトップアプリとほぼ同様の操作がブラウザ上でも可能となります。WebDirect は開発が非常に楽になる半面、ライセンス費用やブラウザとの互換性等に問題があります。 したがって、高速開発性(RAD)を重視し、ブラウザ互換性をある程度無視できる環境では WebDirect は FileMaker API for PHP の代替となる可能性があります。
参考: アンケートシステム・プロトタイプ
一方Ver 15 では WebDirect と呼ばれる 機能があり、これにより PHP などで Webプログラミングを行うことなく、 FileMaker デスクトップアプリとほぼ同様の操作がブラウザ上でも可能となります。WebDirect は開発が非常に楽になる半面、ライセンス費用やブラウザとの互換性等に問題があります。 したがって、高速開発性(RAD)を重視し、ブラウザ互換性をある程度無視できる環境では WebDirect は FileMaker API for PHP の代替となる可能性があります。
参考: アンケートシステム・プロトタイプ
ブラウザとの互換性等に問題があります。 したがって、高速開発性(RAD)を重視し。ブラウザ互換性をある程度無視できる環境では WebDirect は FileMaker API for PHP の代替となる可能性があります。
サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)
さて、今回がアンケートフォーム作成の最終回となります。
ステップ 1 から渡ってきたユーザ入力データをここでデータベースに登録し、続いてその内容をメール送信します。
コードの記述に入る前に、FileMaker データベースを用意する必要があります。
以下の手順に従ってください。
1. FileMaker Pro 9 よりComment.fp7 という名前のファイルを新規作成します。
2. 以下の図を参考にしながらフィールドを作成します。
アンケート入力ページで実際に使用するのは、[氏名]、[email]、[回答]、[その他回答]、[意見など]の5 つだけですが、残りのフィールドはデータベースを管理する際に作っておくと便利ですので、最初の段階で用意しておきます。
3. 「アカウントとアクセス権」ダイアログを開き、webuser というユーザを追加します。
パスワードを入力(サンプルデータベースでは web となっています)し、[アクセス権セット]では、「新規アクセス権セット...」を選択します。以下のように入力していきます。
ここで最も重要なのは、ダイアログの一番下に表示されている[PHP Web 公開でのアクセス - FMS のみ (fmphp)]にチェックが付いていることです。これによって、FileMaker Server 9 への PHP によるアクセスを有効にします。
また、[レコード]の欄で「カスタムアクセス権...」を選択することによって、レコードへのアクセス範囲を設定することもできます(任意)。
4. デフォルトのレイアウト名が Comment になっていますので、cgi に変更します。
5. ここまで終わったら、このデータベースファイルを FMS9 の Databases フォルダに入れて公開します。
これでデータベースの準備が整いましたので、今度はアンケート入力の PHP コードの方に Comment データベース書き込みの処理を追加していきます。
まずは、コードの最初の方で FileMaker.php をロードします。
require_once 'FileMaker.php';
API for PHP による FileMaker データベースへのデータ書き込み手順を日本語で書くと、次のようになります。
- FileMaker を使用することを宣言する(FileMaker インスタンスを作成する)。
- 使用するデータベース名、レイアウト名、ユーザ名、パスワードを指定する。
- レコード追加をこれから行うことを宣言する。
- 追加するフィールドと、そのデータを指定する。
- レコード追加を実行する。
このように日本語で書いてみると、操作は思ったより単純であることがわかりますね。
あとは上記の内容を PHP の記述規則に従って置き換えるだけです。
日本語で何をやっているかが理解できれば、この PHP ソースも容易に理解できるでしょう。
$databaseName、$layoutName、$userName、$passWord というように変数を用意しておくことで、後でデータベース名や、ユーザ名、パスワードが変更になったときにも柔軟に対応できるようになっています。
一番最後の行の $newrec->execute(); で実際に FileMaker データベースの方にレコードを新規追加します。
最後にメール送信機能を追加します。
すでにご存じのように、メールは差出人(From)、宛先(To)、件名(Subject)、本文(Body)、ヘッダ情報で成り立っています。これと同様の指定をコーディングの中でも行います。後でいつでも変更できるように、以下のように変数に入れておくと便利です。
宛先(To)はアンケートに回答してくれた人のメールアドレスになりますので、ここでは指定しません。
アンケート回答者にメールを送信すると同時にそのコピーをサーバ管理者に送るようにするには、上記のように $bcc 変数を用意して、そこにコピーを送るメールアドレスを設定しておきます。
それでは実際にメールを送信するための手順を日本語で書いてみます。
- メールヘッダを組み立てる。
- アンケートに対するユーザ回答を使って本文を組み立てる。
- メール送信時に発生する文字化け対策を施す。
- 上記の内容を使ってメールを送信する。
上記を PHP で置き換えると、次のようになります。
$_POST の中にユーザ入力の内容が納められていますので、その中から該当するものを取り出しながら本文を組み立て、mb_sendmail() 関数の To の部分に回答者のメールアドレス $_POST['email']を設定します。
上記を踏まえながら、サンプルコードを確認し、Comment.fp7 データベースをお使いの FMS9 環境に配置して、動作を確認してみてください。
これで、FileMaker API for PHP による FileMaker データベースへの書き込み操作がひととおりできるようになりました。
あとは、ステップ 1 のときと同様に、渡ってきたデータをお礼ページに表示するだけです。
詳細は、サンプルコードを参照してみてください。
*サンプルデータベースの Admin パスワードは「admin」、webuser パスワードは「web」となっております。必要に応じて変更してお使いください。
●まとめ
FileMaker データベースへのデータ書込の理解
メール送信の理解
2008-07-01
FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成 (3/4)
サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)
前回はアンケートページ操作の枠組みとなる、アンケート入力ページ、確認ページ、そしてお礼ページの切替方法について説明しました。いよいよ本格的なコード記述に入っていきます。PHP のコーディング規則については割愛しておりますので、不明な点があれば PHP のマニュアルを参照してください。
皆さんご存じのとおり、Web ページの構成はざっと以下のようになっています。
前回の説明では、本文部分の表示切替について説明したわけですが、実際は、本文を表示する前にヘッダを表示し、本文の表示が終わったところでフッタを表示することによって、Web ページを構成する必要があります。第一回目で、ヘッダとフッタは部品化できると申し上げたとおり、ヘッダとフッタをそれぞれ独立した文字列として変数にセットしておくことで、実際のページ表示を行うときに呼び出して使うことができます。
以下はその部分を取り出したものですが、HTML による Web ページ作成経験がある方なら、この部分は容易に想像できるでしょう。
●ヘッダ部品のソース
ヘッダ中にある $pagetitle は、ページのタイトルを表示するための変数です。入力ページ、確認ページ、お礼ページでタイトルを切り替えることができるため、このようにしておくと便利です。
●フッタ部品のソース
このように部品を用意しておけば、極端な話、PHP コードの中で以下のように記述するだけで一つの Web ページが出来上がります。
次に、上記のヘッダとフッタの間に入れる本文部分を検討していきます。
1. ステップ 0 (ユーザ入力ページ)
ここでは、入力用のフォームを作っていきます。
フォーム部品(エレメント)は次の 5 つです。
氏名 -- テキストボックス (myname というエレメント名)
email -- テキストボックス (email というエレメント名)
アンケート回答 -- ラジオボタン (answer というエレメント名)
その他回答 -- テキストボックス (otheranswer というエレメント名)
ご意見など -- テキストエリア (memo というエレメント名)
以下は上記を踏まえてフォームを起こすためのコードを PHP で記述したものです。
上記赤で囲った部分がアンケート回答の選択肢を示すラジオボタンです。これですと、アンケート回答の選択肢が増えるたびにラジオボタン行を増やす必要があるため、将来的に非効率といえば非効率です。というわけで、このラジオボタンの部分を可変対応にしてみましょう。
そこで選択肢のリスト作って変数に入れてみます。ここでは $answeroptions という変数にリストを配列としてセットしているところです。
そして、ラジオボタンを表示したいところでこの変数($answeroptions)を呼び出して、各項目を取り出します。その加工を行っているのがこの部分です。
これでデフォルトのページの部品ができあがりました。しかし、これでは各エレメントの value が空欄のため、前回何らかのユーザ入力が行われていたとしても値はページには反映されません。そこで、前回ユーザ入力があった場合にはその値を当該の項目に表示する処理を追加します。
この処理を施すと、次のようになります。赤線部分に注目してください。
そしてさらに、必須項目である[氏名]欄と[email]欄が正しく入力されているかどうかをチェックして、値が不正の場合には赤字でメッセージを表示するようにします。
その処理を施したものが以下のソースです。赤線部分に注目してください。
入力項目の処理はこれで終わりですが、後は今のステップ番号を次の操作のためにどこかに用意しておく必要があります。
ここでは以下のような隠しエレメントを用意して、そこにステップ番号を入れることにします。エレメントの名前は後で参照しやすいように page_flg としておきます。今回はステップ 0 (ユーザ入力フォーム)なので、設定しておく値は 0 ですね。
後は送信ボタンとリセットボタンを用意するだけです。
上記を踏まえて、もう一度サンプルコードを見てみてください。
2. ステップ 1 (確認ページ)
このステップは、ステップ 0 に比べると比較的処理が容易です。ここでは、ステップ 0 で入力された値 ($_POST にまとめて入っています)を取り出してページに表示し、ユーザにこの内容でデータベースに送信しても良いか尋ねて、ステップ 2 に入力値を渡すだけです。
まずは入力された値を表示します。この部分は、確認ページとお礼ページの両方で同じものを表示しますので、使い回すことができます。
次に、ステップ 2 (お礼ページ)に渡すためのユーザ入力値を隠しエレメントとしてフォームに用意します。
以下、赤線を引いた箇所が現在のステップ番号を渡しているところです。
実際にサンプルコードのソースを開いてみて、この部分を確認してみてください。
残すはステップ 2 です。ステップ 2 では、データベース操作およびメール送信について触れますので、次回詳しく説明いたします。
●まとめ
入力フォームの記述方法とユーザ入力値の表示方法の理解
前回はアンケートページ操作の枠組みとなる、アンケート入力ページ、確認ページ、そしてお礼ページの切替方法について説明しました。いよいよ本格的なコード記述に入っていきます。PHP のコーディング規則については割愛しておりますので、不明な点があれば PHP のマニュアルを参照してください。
皆さんご存じのとおり、Web ページの構成はざっと以下のようになっています。
前回の説明では、本文部分の表示切替について説明したわけですが、実際は、本文を表示する前にヘッダを表示し、本文の表示が終わったところでフッタを表示することによって、Web ページを構成する必要があります。第一回目で、ヘッダとフッタは部品化できると申し上げたとおり、ヘッダとフッタをそれぞれ独立した文字列として変数にセットしておくことで、実際のページ表示を行うときに呼び出して使うことができます。
以下はその部分を取り出したものですが、HTML による Web ページ作成経験がある方なら、この部分は容易に想像できるでしょう。
●ヘッダ部品のソース
ヘッダ中にある $pagetitle は、ページのタイトルを表示するための変数です。入力ページ、確認ページ、お礼ページでタイトルを切り替えることができるため、このようにしておくと便利です。
●フッタ部品のソース
このように部品を用意しておけば、極端な話、PHP コードの中で以下のように記述するだけで一つの Web ページが出来上がります。
echo $header;
echo $footer;
次に、上記のヘッダとフッタの間に入れる本文部分を検討していきます。
1. ステップ 0 (ユーザ入力ページ)
ここでは、入力用のフォームを作っていきます。
フォーム部品(エレメント)は次の 5 つです。
氏名 -- テキストボックス (myname というエレメント名)
email -- テキストボックス (email というエレメント名)
アンケート回答 -- ラジオボタン (answer というエレメント名)
その他回答 -- テキストボックス (otheranswer というエレメント名)
ご意見など -- テキストエリア (memo というエレメント名)
以下は上記を踏まえてフォームを起こすためのコードを PHP で記述したものです。
上記赤で囲った部分がアンケート回答の選択肢を示すラジオボタンです。これですと、アンケート回答の選択肢が増えるたびにラジオボタン行を増やす必要があるため、将来的に非効率といえば非効率です。というわけで、このラジオボタンの部分を可変対応にしてみましょう。
そこで選択肢のリスト作って変数に入れてみます。ここでは $answeroptions という変数にリストを配列としてセットしているところです。
そして、ラジオボタンを表示したいところでこの変数($answeroptions)を呼び出して、各項目を取り出します。その加工を行っているのがこの部分です。
これでデフォルトのページの部品ができあがりました。しかし、これでは各エレメントの value が空欄のため、前回何らかのユーザ入力が行われていたとしても値はページには反映されません。そこで、前回ユーザ入力があった場合にはその値を当該の項目に表示する処理を追加します。
この処理を施すと、次のようになります。赤線部分に注目してください。
そしてさらに、必須項目である[氏名]欄と[email]欄が正しく入力されているかどうかをチェックして、値が不正の場合には赤字でメッセージを表示するようにします。
その処理を施したものが以下のソースです。赤線部分に注目してください。
入力項目の処理はこれで終わりですが、後は今のステップ番号を次の操作のためにどこかに用意しておく必要があります。
ここでは以下のような隠しエレメントを用意して、そこにステップ番号を入れることにします。エレメントの名前は後で参照しやすいように page_flg としておきます。今回はステップ 0 (ユーザ入力フォーム)なので、設定しておく値は 0 ですね。
後は送信ボタンとリセットボタンを用意するだけです。
上記を踏まえて、もう一度サンプルコードを見てみてください。
2. ステップ 1 (確認ページ)
このステップは、ステップ 0 に比べると比較的処理が容易です。ここでは、ステップ 0 で入力された値 ($_POST にまとめて入っています)を取り出してページに表示し、ユーザにこの内容でデータベースに送信しても良いか尋ねて、ステップ 2 に入力値を渡すだけです。
まずは入力された値を表示します。この部分は、確認ページとお礼ページの両方で同じものを表示しますので、使い回すことができます。
次に、ステップ 2 (お礼ページ)に渡すためのユーザ入力値を隠しエレメントとしてフォームに用意します。
以下、赤線を引いた箇所が現在のステップ番号を渡しているところです。
実際にサンプルコードのソースを開いてみて、この部分を確認してみてください。
残すはステップ 2 です。ステップ 2 では、データベース操作およびメール送信について触れますので、次回詳しく説明いたします。
●まとめ
入力フォームの記述方法とユーザ入力値の表示方法の理解
FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成 (2/4)
サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)
さて、前回の説明ではアンケートページの流れと、流用可能部分の洗い出しを行いました。
以降、PHP を使って話を進めていきますが、実際にコードを書く前に、まずは日本語で分岐処理を考えてみましょう。この作業がしっかりできれば、あとはそれを PHP の規則に従って置き換えるだけです。このやり方ならあらゆるプログラミング言語にも応用が利くので便利です。
ページがロードされたときに、最初にしなければならないのは、このページが初回ロード(デフォルトページ)なのか、確認用ページなのか、それともお礼ページなのかを把握することです。そこで前回解説した 3 つのステップが登場するわけです。
ここで注目すべきことは、ユーザが正しい入力を行わなければ、いつまでたってもステップ 1 には進めないということです。今回のアンケートフォームでは、このために[氏名]欄と[email]欄を入力必須としています。この二つの項目正しい入力がなければ、誰が送ったのか後で判断できませんし、メールも送信できなくなってしまいます。また、ゴミデータを増やす原因にもなりますので、最低限[氏名]と[email]には入力をしてもらいたいところです。
つまり、ステップ 0 ではユーザ入力ページを表示させつつ、正しい入力が行われているかどうかという判断も行います。
ページがロードされた場合に、[氏名]欄と[email]欄に正しいデータ入力が行われていたときは、必要最低限の情報が揃ったことになりますので、ステップ 1 に進みます。
さらにページがロードされた場合に、前回のユーザ操作で“確定”ボタンが押されていたことを確認できたときは、ステップ 2 に進んでデータを FileMaker データベースに書き込み、さらにメールを送信して終了します。
実際にコード記述を行う際には、ステップにプログラム内で管理しやすい固有の名前を付けます。ここでは page_flg としてみます。page_flg が 0 ならステップ 0 というわけです。PHP では変数を取る場合は先頭に $ を付けますので $page_flg という名前になります。
それではここまでを日本語で表現してみます。見やすさのために、各項目内はインデントを行います。ステップの名前は page_flg となっていますので、覚えておいてください。
上記のように、ページがロードされた直後の処理が最も重要であることがわかりますね。page_flg の番号が特定できれば、あとはそれに応じたフォームを表示するだけです。
さて、次はこれらの分岐を PHP に置き換えてみます。処理の詳細はまだ記述しませんので、コメント行として日本語で表します。先ほど申し上げたとおり、page_flg は PHP では $page_flg と記述します。
分岐の方法や入力されたフォームの値($_POST に入っています)の説明は PHP のマニュアルをご覧いただくとして、こうして見てみると、処理の流れが意外と単純であることがわかりますね。ちなみに、Mailck()という名前の付いているものは、入力されたメールアドレスが適切な形式であるかどうかをチェックするために私が用意したユーザ定義関数の名前です。
この枠組みができれば、あとはページヘッダ、フッタ、そしてフォームの詳細を追加していくだけです。
また、前回の説明にあったように、確認ページとお礼ページのコードは流用できる部分があるため、$page_flg の分岐を以下のように変更します。
コードがさらにすっきりましたね。
ここで、サンプルコードをダウンロードして、該当箇所を検索し、コードがどのようになっているかを調べてみてください。
フォーム内容が記述されているため、PHP に不慣れな方には複雑に見えるとは思いますが、この枠組みが理解できていれば、今回のアンケートフォームの操作は 70% 理解できたと言っても過言ではないでしょう。
●まとめ
ページ操作の枠組みとその記述方法(日本語、PHP)の理解
さて、前回の説明ではアンケートページの流れと、流用可能部分の洗い出しを行いました。
以降、PHP を使って話を進めていきますが、実際にコードを書く前に、まずは日本語で分岐処理を考えてみましょう。この作業がしっかりできれば、あとはそれを PHP の規則に従って置き換えるだけです。このやり方ならあらゆるプログラミング言語にも応用が利くので便利です。
ページがロードされたときに、最初にしなければならないのは、このページが初回ロード(デフォルトページ)なのか、確認用ページなのか、それともお礼ページなのかを把握することです。そこで前回解説した 3 つのステップが登場するわけです。
0 -- 初回ロード時(デフォルト)ユーザによるアンケート入力用ページ
1 -- 確認ページ
2 -- お礼ページ
ここで注目すべきことは、ユーザが正しい入力を行わなければ、いつまでたってもステップ 1 には進めないということです。今回のアンケートフォームでは、このために[氏名]欄と[email]欄を入力必須としています。この二つの項目正しい入力がなければ、誰が送ったのか後で判断できませんし、メールも送信できなくなってしまいます。また、ゴミデータを増やす原因にもなりますので、最低限[氏名]と[email]には入力をしてもらいたいところです。
つまり、ステップ 0 ではユーザ入力ページを表示させつつ、正しい入力が行われているかどうかという判断も行います。
ページがロードされた場合に、[氏名]欄と[email]欄に正しいデータ入力が行われていたときは、必要最低限の情報が揃ったことになりますので、ステップ 1 に進みます。
さらにページがロードされた場合に、前回のユーザ操作で“確定”ボタンが押されていたことを確認できたときは、ステップ 2 に進んでデータを FileMaker データベースに書き込み、さらにメールを送信して終了します。
実際にコード記述を行う際には、ステップにプログラム内で管理しやすい固有の名前を付けます。ここでは page_flg としてみます。page_flg が 0 ならステップ 0 というわけです。PHP では変数を取る場合は先頭に $ を付けますので $page_flg という名前になります。
それではここまでを日本語で表現してみます。見やすさのために、各項目内はインデントを行います。ステップの名前は page_flg となっていますので、覚えておいてください。
上記のように、ページがロードされた直後の処理が最も重要であることがわかりますね。page_flg の番号が特定できれば、あとはそれに応じたフォームを表示するだけです。
さて、次はこれらの分岐を PHP に置き換えてみます。処理の詳細はまだ記述しませんので、コメント行として日本語で表します。先ほど申し上げたとおり、page_flg は PHP では $page_flg と記述します。
分岐の方法や入力されたフォームの値($_POST に入っています)の説明は PHP のマニュアルをご覧いただくとして、こうして見てみると、処理の流れが意外と単純であることがわかりますね。ちなみに、Mailck()という名前の付いているものは、入力されたメールアドレスが適切な形式であるかどうかをチェックするために私が用意したユーザ定義関数の名前です。
この枠組みができれば、あとはページヘッダ、フッタ、そしてフォームの詳細を追加していくだけです。
また、前回の説明にあったように、確認ページとお礼ページのコードは流用できる部分があるため、$page_flg の分岐を以下のように変更します。
コードがさらにすっきりましたね。
ここで、サンプルコードをダウンロードして、該当箇所を検索し、コードがどのようになっているかを調べてみてください。
フォーム内容が記述されているため、PHP に不慣れな方には複雑に見えるとは思いますが、この枠組みが理解できていれば、今回のアンケートフォームの操作は 70% 理解できたと言っても過言ではないでしょう。
●まとめ
ページ操作の枠組みとその記述方法(日本語、PHP)の理解
2008-06-30
FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成 (1/4)
本記事は2008年に FileMaker 9 の環境下で執筆されました。2016年11月現在、FileMaker の最新バージョンは 15 となっていますが、15 においても本記事の内容はなお有効と思われます。
一方Ver 15 では WebDirect と呼ばれる 機能があり、これにより PHP などで Webプログラミングを行うことなく、 FileMaker デスクトップアプリとほぼ同様の操作がブラウザ上でも可能となります。WebDirect は開発が非常に楽になる半面、ライセンス費用やブラウザとの互換性等に問題があります。 したがって、高速開発性(RAD)を重視し、ブラウザ互換性をある程度無視できる環境では WebDirect は FileMaker API for PHP の代替となる可能性があります。
参考: アンケートシステム・プロトタイプ
一方Ver 15 では WebDirect と呼ばれる 機能があり、これにより PHP などで Webプログラミングを行うことなく、 FileMaker デスクトップアプリとほぼ同様の操作がブラウザ上でも可能となります。WebDirect は開発が非常に楽になる半面、ライセンス費用やブラウザとの互換性等に問題があります。 したがって、高速開発性(RAD)を重視し、ブラウザ互換性をある程度無視できる環境では WebDirect は FileMaker API for PHP の代替となる可能性があります。
参考: アンケートシステム・プロトタイプ
ブラウザとの互換性等に問題があります。 したがって、高速開発性(RAD)を重視し。ブラウザ互換性をある程度無視できる環境では WebDirect は FileMaker API for PHP の代替となる可能性があります。
サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)
さて、前回の投稿で FileMaker Server 9 のインストールを終えましたので、これから数回にわたって FMS9 に装備されている FileMaker API for PHP を使うことによって FileMaker データベースにデータ書き込みを行う方法について説明します。
ここでは最も手っ取り早く操作を理解することを目標に掲げていますが、今後は機会を見て同操作の Fx.php への展開、MySQL への展開、セッション管理などについても書いていきたいと思っております。
FileMaker API for PHP は、PHP スクリプトから FileMaker データベースにアクセスすることによって、データベース操作を実現するクラスをまとめた API で、従来の CDML やインスタント Web 公開では機能的に限界のあったデータベース操作がさらに高度で柔軟なものになっています。
操作にあたってはどうしても HTML と PHP を記述するための知識が必要になるわけですが、今回は理解の最短コースを目指し、最も単純な操作方法をコード付きで紹介します。
サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)
こんなページを想像してみましょう。
- アンケート入力ページが出てくる。
- 上記で正しい入力が行われると、確認ページが出てくる。
- 確定ボタンを押すと、入力されたデータが FileMaker データベースに書き込まれるとともに、その内容がメールで投稿者およびサーバ管理者に送信される。
この動作を実現させたものがこちらのアンケート入力ページです。
入力→確認→データ書込(必要に応じてメール送信)、この三段構えを応用すると、商品申込ページや、住所録作成なども比較的簡単にできるようになります。
さて難しいことは抜きにして、まずは入力ページの部品を見てみましょう。
ユーザ入力欄は以下の 5 つだけです。
- 氏名 -- 入力必須
- emailアドレス -- 入力必須
- アンケート回答 -- 選択必須。一番上の選択肢が最初に選択されている状態
- その他回答入力欄 -- 任意
- 要望など入力欄 -- 任意
HTML による Web ページ作成経験のある方なら、ページ構成は容易に想像できるでしょう。
PHP では、ある程度ページ部品を使いまわすことができますので、入力、確認、お礼のページで使いまわせそうな部分を抜き出していきます。
ヘッダ --- 流用可能
ボディ(本文) --- 一部流用可能
フッタ --- 流用可能
ボディが一部流用可能となっている理由は、入力ページではユーザ入力を許可し、確認ページとお礼のページではテキストのみが表示されるという理由で表示動作が異なるためです。それでも確認ページとお礼のページに表示させる内容は使い回せそうですね。
それではこのアンケートページのブラウザ表示後のソースを見ながら流用できそうな部分にマークを付けてみます。
図中の赤で囲んだ部分が入力、確認、お礼ページで共通している部分となりますので、PHP コードの中では一度記述すればよいことになります。
次に、ページ動作の流れを決めます。
- 初回ページロード時は入力画面表示。
- 必須項目に正しく入力が行われたら、確認ページを表示
- 確認ページでユーザが“確定”ボタンを押したら、お礼のページを表示
ページの表示切替を容易に行うため、各ステップを 0 (デフォルト)、1 (確認)、2(お礼)のように決めます。つまり、ステップ 0 では、いくらページをロードしても入力画面が表示され、1 なら確認画面、2 ならお礼の画面という具合です。表示イメージは弊社サーバでテスト公開しているアンケート入力ページで確認していただくことにして、それぞれのステップのフォーム部分のコードを見てみましょう。
【ステップ 0 のソース】
【ステップ 1 のソース】
【ステップ 2 のソース】
ステップ 1 と ステップ 2 を比べてみてください。多少の差異は認められるものの、赤で囲んだ部分が殆んど同じであることがおわかりいただけるでしょう。ということで、この部分も PHP で使いまわすことができます。
●まとめ
- アンケート入力→確認→お礼ページの流れを把握
- 上記のそれそれのステップに 0, 1, 2 という番号を付ける
- ページのヘッダ、フッタ、本文で流用できそうな部分を洗い出す
流用できる部分の洗い出しは、設計段階でとても重要な作業となります。
次回より、上記を踏まえた上で、実際に php を使ってコーディングをしていきます。
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