土屋企画では、Quuppa 用のIPSアプリケーション『QuickIPS for Quuppa』 を今冬にリリースする予定です。 本製品はQuuppaの屋内測位システムと連携し、屋内の人・モノの位置をPC等の端末上にリアルタイムで表示するFileMakerで開発されたアプリケーションです。
本稿では当製品に関して説明します。
Quuppaとは?
Quuppaは屋内の人やモノの位置情報を提供するためのシステムであり、Realtime Tracking System (RTLS) または Indoor Positioning System と呼ばれます。 人・モノにはタグと呼ばれる発信機を取り付けて、タグが発する信号をもとに人・モノの位置を算出します。GPSと似ていますが、衛星電波の届きにくい屋内での使用に特化し、GPSよりも測位精度が高いのが特長です。
タグ | 人・モノに取り付け、信号を発信する。 | |
ロケーター | タグからの信号を受信して位置測位エンジンに送信。 | |
位置測位エンジン(ソフトウェア) | ロケーター経由で送られてくるタグ情報を受信、各タグの位置情報を算出してアプリケーションに渡す。要PC/サーバ。 |
QuickIPS for Quuppa
Quuppaの位置測位エンジンはタグの位置情報をUDP PushやRESTを介してCSV及びJSONの形式で提供しますが、人・モノの位置をマップ上に表示するユーザアプリケーションは導入企業が独自に開発することになります。しかし、このアプリケーションの開発には多くの時間と費用が発生します。この開発作業の工数を削減するのが当社の QuickIPS for Quuppa です。
主な特長
1. IPS アプリケーションを短時間で導入・開発が可能
フロアマップ(タグの所在地をマップ上に表示する機能)などIPS アプリケーションを開発するには多くの時間と費用がかかります。
QuickIPS for Quuppa(以下、「QuickIPS」と言います) はフロア画像を取り込み座標を合わせる等の初期設定を行えば、すぐにフロアマップ上にタグの所在地を表示できます。
QuickIPS により、IPSのシステム導入担当者は、プロジェクトの初期段階でエンドユーザが利用するアプリケーションをイメージすることができます。
2. FileMaker によるカスタマイズ
QuickIPS は FileMaker で作成されており、開発版も提供されます。 FileMaker はローコード開発ツールとして知られており、FileMakerの開発者は FileMaker とQuickIPS開発版を使用し、QuickIPS をカスタマイズすることにより短期間で高品質のIPSアプリケーションを開発することが可能です。
3. 多様なフロアマップ開発のツール
QuickIPSは5種類のフロアマップを提供します。開発版を試用してのカスタマイズに際しては、FileMakerの標準機能に加え、JavaScriptライブラリの plotly(無料) や FileMaker PluginであるxmCHART(有償、サードパーティ製) を使用できます。
3-1. Scatterフロアマップ
FileMakerの散布図グラフを使用して開発されており、機能は限定的ですが、開発は容易です。
3-2. オブジェクトフロアマップ
FileMakerの機能(主にマージフィールドとスクリプト)を使用して開発されており、Scatterフロアマップに比べて高度な開発が可能です。尚、本フロアマップは他のフロアマップとは異なり、導入時のカスタマイズが必須です。
3-3. xmCHARTフロアマップ
FileMakerプラグインのxmCHART(有償)により開発されており、同製品が提供するFileMake用外部関数使用によるフロアマップの開発が可能です。この外部関数の習得には一定の学習が必要となりますが、チャート作成の柔軟性及び拡張性に優れ、様々なチャートの作成にも利用できます。
3-4. Plotlyフロアマップ
JavaScriptとJavaScriptライブラリのPlotlyを使用して開発されています。開発者はPlotlyのスキルを必要とされますが、チャート作成の柔軟性及び拡張性に優れ、様々なチャートの作成にも利用できます。
3-5. QuickIPSページ(FileMakerクライアントライセンス非依存)
上述のフロアマップと異なり、FileMakerクライアントライセンスとせず、ブラウザ上にフロアマップを表示します。同ライセンスが不要のため、多数のユーザがいる環境ではコスト的に有利です。但し、FileMaker Serverのライセンスは必要です。
4. オート、マニュアル、ヒストリの3つのモードに対応
上記3-1~3-4のフロアマップは以下のモードに対応しています。
マニュアル(MANUAL):ユーザが更新ボタンをクリックすると、その時点のタグの位置情報を表示
ヒストリ(HISTORY):ユーザの指定により、データベースに保存された過去の位置情報を表示
5. 多様なプラットフォーム上で利用可能
上記3-1~3-4のフロアマップは以下の環境で動作します。
- FileMaker Pro (PC)
- FileMaker WebDirect (PC)
- FileMaker Go(iPhone/iPad)
注:
- 動作環境の詳細は後日公開します。
- 初期設定及びメンテナンスには、FileMaker Proが必要です。
- WebDirectはFileMakerで作成した機能をWebブラウザ上で利用できるようにするFileMaker Server の機能です。WebDirectを使用するには、FileMaker Server に加え、ユーザ毎にFileMakerのクライアントライセンスが必要となります。
Quick IPS for Quuppaは今冬のリリースを予定しています。ご質問などはこちらからお寄せください。
NuckyT