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2015-12-15

マルチ認証ライセンスキーを使って Windows OS エディションをアップグレードする方法

 Windows OS のエディションをアップグレードしようとするとき、DISM コマンドを使うこともあると思いますが、マルチ認証ライセンスのプロダクトキー(MAK キー)で同操作を行うと失敗します。

 ここでは、アップグレードの失敗例をご紹介したあとで、その理由と、対処方法についてご紹介します。

 なお、本記事では Windows Server 2008 R2 を使っていますが、Windows Vista、 Windows 7、Windows 8/8.1、Windows Server 2008、Windows Server 2012/R2、Windows 10 のエディションアップグレード作業時にも参考にしていただけるとのではないかと思います。

注意点:

 本記事でご紹介する操作は、動作を保証するものではありません。
 事前にアップグレード要件の検討を行い、必要に応じてバックアップをお取りいただき、お客様の責任で操作をお願いいたします。


絵で見る失敗例:マルチ認証ライセンスのプロダクトキーを使うと、Windows OS エディションのアップグレードができない


 コマンド プロンプトから 以下のコマンドを入力し、現在のエディションを確認します。
 
DISM /online /Get-CurrentEdition


 上図では、ServerStandard という文字列が返りますので、Standard であることがわかります。
 (実際に使用しているのは Windows Server 2008 R2 Standard エディションです。)

 次に、アップグレード可能なエディションの種類を確認します。

 以下のコマンドを入力ます。
 
DISM /online /Get-TargetEditions



 ServerDataCenter および ServerEnterprise にアップグレード可能なことがわかります。
 ここで、Enterprise にアップグレードする場合は、以下のようにコマンドを入力します。

 
DISM /online /Set-Edition:ServerEnterprise /ProductKey:XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX



 しかしながら、ご覧のようにエラー 1605 とともに、「指定したプロダクト キーは、このターゲット エディションに対して有効なキーではありません。このターゲット エディション固有のプロダクト キーを指定して、このコマンドをもう一度実行してください。」というメッセージが表示されて失敗します。


原因:マルチ認証ライセンスのプロダクトキー(MAK キー)は、DISM コマンドには使えない


 MAK キーそのものは複数のエディションに対して共通のプロダクトキーとなっていますが、DISM コマンドは各エディションに固有のキーを要求するため、共通キーの MAK キーが使えません。

 これを回避するには、キー管理サービス(KMS)用のクライアントセットアップキーを使えば、一旦アップグレード操作は成功するようになります。

 KMS クライアントセットアップキーはこちらのページから入手できます。

 付録 A:KMS クライアント セットアップ キー

 一覧より、アップグレード対象のエディションのキーをコピーしておきます。
 お手持ちのマルチ認証ライセンスのプロダクトキーも後で必要になりますので保存しておきます。

KMS クライアントセットアップキーを使った Windows エディションのアップグレード


 コマンドラインより、DISM のアップグレードコマンドを入力し、/ProduktKey スイッチに KMS クライアントセットアップキーを入力します。

 
DISM /online /Set-Edition:ServerEnterprise /ProductKey:XXXXX-XXXXX-XXXXX-XXXXX




 指定したエディションと、KMS クライアントセットアップキー が一致すると、プロダクトキーのインストールが行われます。

 その後、10分~程度待ち状態になります。
 既存のパッケージが削除された後に新しいパッケージが適用されます。
 下図は、Windows Server 2008 R2 Standard Edition が削除された後で、Enterprise Edition が適用された様子です。



 すべての操作が終わると、「今すぐコンピューターを再起動しますか(Y/N)?」というプロンプトが出ますので、Y を選択すると、即座にサーバが再起動されます。

 ※作業中のドキュメント等が開いている場合は、事前に保存しておくことを忘れないようにしましょう。

 起動後は、おなじみのアップグレード画面が表示されますので、完了するまで待ちます。



 アップグレードが完了したら、ログインして、コンピュータのプロパティでエディションを確認しましょう。
 下図では、Windows Server 2008 R2 Enterprise エディションにアップグレードされていますね。

 

 エディションが変わるため、Windows ライセンスの認証は解除された状態となりますので、別途認証作業が必要となります。

 「プロダクトキー の変更」リンクをクリックします。



 プロダクトキー入力ダイアログが表示されますので、お手持ちのマルチ認証ライセンスのプロダクトキー(MAK キー)を入力します。



 ライセンスが認証されたら、一連の操作は成功です。



 MAK キーを使うと、どうやってもエディションのアップグレードに失敗してしまう場合は参考にしていただければ幸いです。


参考リンク:
Features missing or incorrect memory reported after using dism /set-edition to upgrade computer (英語)
(dism /set-edition コマンドでコンピュータをアップグレードしようとすると、機能不足やメモリ割当が不正などのエラーが報告される)

KMS Client Setup Keys (英語)





2013-08-14

Windows 8 Pro をドメインに参加させたら、スタート UI のアプリが使えなくなって大慌て

 Windows 8 Pro をインストールして、ドメインに参加させると、Windows 8 のスタート UI に表示されているアプリケーションにまったくアクセスできなくなっていることに気づくことでしょう。



 Windows 8 アプリの対象ユーザは、Microsoft アカウント(クラウドで管理する)を対象にしているのが問題のようです。

 まあ、Microsoft アカウントを登録して、ログインしなおせば Windows 8 アプリを使えるようにはなりますが、Windows ドメインで共通で使っているアカウントがあるのだから、できればそれを使いたいという場合もあるでしょう。

 その場合は、以下の手順でレジストリ情報を一部書き換えることによって、ビルトインアカウント(たとえば Administrator)で Windows 8 アプリを使えるようになります。


1. カーソルを画面の右端下まで移動してチャームを表示させ、検索アイコンをクリックします。


2. アプリ検索用のボックスが表示されますので、regedit と入力します。



 画面左に該当するアプリが表示されますので、アイコンをクリックすると、レジストリエディタが開きます。


3. レジストリキーの一覧より、HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System\FilterAdministratorToken を展開します。



4. FilterAdministratorToken の値を 0 から 1 に変更します。



5. レジストリエディタを閉じてコンピュータを再起動すると、ビルトインアカウントで Windows 8 のスタート画面のアプリを使えるようになります。



Windows 8 がプリインストールされいてるコンピュータに Windows 8 Pro をインストールする方法

Windows 8 を Windows 8 Pro にアップグレードしようとしたら、「問題が発生したため、PC を再起動する必要があります。INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE」と表示されて大慌て


Windows 8 には二つのエディションがあり、Pro 版でなければ Windows 8 をドメインに参加させることができません。



一筋縄ではいかなかった Windows 8 → Windows 8 Pro へのアップグレード

 Windows 8 がプリインストールされているコンピュータを購入した場合、社内ドメインに参加させるには、前述のとおり、Windows 8 を Pro 版にアップグレードする必要があります。

 当方の場合は、Pro 版をインストールしようとしたところ、何度かつまづくことになってしまいましたので、備忘録として手順を記載しておきます。


1. Windows 8 がインターネットに接続されていることを確認します。

2.  Windows 8 にログインし、Windows 8 Pro インストールディスクを挿入してから、エクスプローラーを開き、インストーラーを起動します。
 
3. “今すぐインストール”をクリックします。

 

「一時ファイルをコピーしています」という画面に切り替わりますので、しばらく待っていると、以下のような画面が表示されます。




 
 このとき、「オンラインで今すぐ更新プログラムをインストールする(推奨)」を選択します。
 ここでドライバ情報の確認と更新が行われます。

重要:
 当方の場合は、最初にこの選択しを無視してしまったため、インストール途中で再起動がかかった際に、ドライバの問題が発生してしまいました。

 具体的には、青い画面に以下のような文字列が表示され、その後は無限再起動ループに陥ってしまいました。

「問題が発生したため、PC を再起動する必要があります。
エラー情報を収集しています。その後、自動的に再起動します。
詳細については、次のエラーを後からオンラインで検索してください INACCESSIBLE_BOOT_DEVICE」


 ですから、更新プログラムのインストール作業は必ず実行してください。

 途中でドライバの互換性の問題が検出された場合は、そのレポートがデスクトップに作成されますので、問題のあるドライバを事前に手動でアンインストールしてください。


4. 無事にドライバの問題が解消されたら、再度 Windows 8 Pro のセットアップを実行します。
 ライセンス条項では、「同意します」チェックボックスにチェックを入れます。


 
5. インストールの種類選択が表示されますので、ここでは「アップグレード:Windows をインストールし、ファイル、設定、アプリを引き継ぐ(U)」を選択すると、アップグレードインストールが始まります。



 
 これ以降は特にユーザ選択を伴いませんので、説明は省略します。


Windows 8 Pro にアップグレードした後の、プロダクトキーの入力方法

 Windows 8 と Windows Pro のプロダクトキーが異なる場合は、Windows 認証には失敗してしまいます。

 具体的には、以下のようなメッセージが表示されます。

「ファイル名、ディレクトリ名、またはボリューム ラベルの構文が間違っています。(エラー コード 0x8007007B)」

 この場合は、プロダクトキーを新たに入力する必要があります。

1. 画面の右端をスワイプしてチャームを表示させ、「検索」をクリックします。

 

2. アプリの検索画面が表示されますので、検索ボックスに SLUI 03 と入力します。

 

すると、画面の左端に SLUI 03 というアプリが表示されますので、クリックします。


3. 「Windows のライセンス認証」という名前の画面が表示されますので、ここで Windows 8 Pro のプロダクトキーを正しく入力してください。


 
 プロダクトキーの照合が正しくできたら、画面右下の“ライセンス認証”というボタンがアクティブになりますので、クリックするとこのプロダクトキーを使って認証が行われます。