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2016-07-14

FileMaker によるレスポンシブな出庫画面プロトタイプ

 FileMaker をバックエンドに使用したレスポンシブな出庫画面を作ってみました。invoice.php という一つのファイルで PC、タブレット、スマホ(Androidを含む)に対応しています。FileMaker のようにデバイス毎にレイアウトを用意する必要が無いところが良いところです。 いまのところ照会専用(更新不可)です。しばらくの間、下記で公開しますので、興味のある方はお試しください。

レスポンシブな FMEasy在庫 プロトタイプの試用会場へ
(しょっちゅう弄っているのでエラーを起こすことがあります。スミマセン。)
Windows Edge


 以下では本プロトタイプの諸機能を説明します。が、まだ照会部分がおおよそできただけで、動作しないモノが多いです。また、エクストリーム・プログラミング(別名:行き当たりバッタリ開発)っぽく開発しているので、ここに書いてる仕様は無かったことになる可能性もあります><。ご了承ください。


オブジェクトのスライドと伸縮


 以下は iPad Air 2 を横置した場合と縦置した場合です。スクリーンの幅が狭くなると右側にある[伝票番号]などのオブジェクト群が下にスライドします。また、オブジェクトによっては、左右に伸縮します。

iPad Air 2, Safari


表示項目数が変わるアコーディオンメニュー


 同じデバイスでもスクリーン幅に応じて、縦置き、横置きでメニューに表示される項目数が変化します。下図左は Nexus 7 Android 縦置の画面になりますが、同じNexus 7 でも横置にするとメニューの項目数が増えます(図右上)。 上下にスクロールしてもこのメニューは常時表示されますが、メニューの左の青いバーをクリックするとメニューが折り畳まれ(下図右下)、商品情報表示を邪魔しないようにします。青いバーを再度タップすると、メニューは再度表示されます。

Nexus 7, Android

接続手段( API )について


 本プロトタイプには接続手段( API )を選択し、それぞれの実行速度を計測する機能が用意されています。選択できるAPIは以下の通りです。

  1. FileMaker API for PHP
  2. fx.php
  3. FileMaker Server Custom Web Publishing with XML (以降 fm.xml)
  4. PDO(ODBC)

 いずれも、バックエンドは 同一のFileMaker Server  で、アクセスするデータベースは同一の「FMEasy在庫 R1.5」となっています。


API の応答時間


 応答時間は、画面右上端に表示されます。


 
 この時間は、出庫データの問い合わせからページ表示までに要した時間を表しています。


APIの切り替え


 使用中の API 情報は、画面右上で確認できます。
 以下の例では、PDO を使用中で、このページの表示が完了するまでに 0.552 秒かかったことがわかります。




 API を切り替える場合は、メニューボタンエリアの右下端のボタンをクリック(タップ)します。
 すると、API 選択用のドロップダウンメニューが表示されます。メニューを展開させてから、希望の API を選択します。


 たとえば、FM API for PHP (専用)を選択すると、使用中の API が下図のように変更されます。



 API を切り替えてもデータの自動読み込みは行われませんので、 ボタンを実行することによって、新しい API でのデータ読み込みを行ってください。
 尚、表示幅が狭くボタンが表示されない場合は、レコード移動用のボタンや ボタンを実行してください。

注:
上記のドロップダウンメニューで(既存)は「FMEasy在庫 R1.5」の既存のレイアウトを使用し、(専用)はWebアプリに不要な要素を排除し、レイアウトテーマに「クラッシック」を使用したカスタムWebに最適化されたレイアウトを使用しています。



出庫明細部


 出庫明細部(商品情報が繰り返し表示されるエリア)の表示項目は、[項目選択…]から選択することができます。お使いのデバイスのスクリーンに合わせて、表示項目を選択してください。

その他

 ボタンにはチップツールがついているので、PCでマウスポインタを合わせるとそのボタン機能がなんとなくわかりますが、現状、多くのボタンが開発中です><

 左のボタンですが、ヘッダ部にある場合と、取引先や商品に隣接している場合があります。 ヘッダ部にある場合はクリックすると検索画面に移動するので、ユーザが検索条件を入力して実行すると検索結果が一覧表示され、目的のレコードを選択すると元の画面に戻り、選択したレコードが表示される仕様となります。一方、取引先や商品に隣接している場合は一覧表示されて選択するところまでは同様ですが、こちらの場合は選択した取引先(部署)または商品が入力されます(入力支援機能)。このあたりは、FileMaker Pro、インスタントWeb、WebDirect の機能に準じるものになる予定です。 


2016-06-06

API 別/サーバ別FileMaker カスタムWebパフォーマンス比較

 FileMaker で カスタムWeb を構築する場合、どの API が一番高速なのか、と疑問を持たれてきた開発者の方も多いかと思いますが、小社もその一員です><。「FM社がバンドルしてるんだから FileMaker API for PHP なら、まぁ、間違いないだろう」位のノリでそれを採用してしまったりとか。FileMaker API for PHP(以下、FM API for PHP) や FX.php なら、ネット上の情報量も多いですし。
 そんな折、FM API for PHP を使用してWeb システムを構築していたわけですが、JMeter で想定される最大負荷をかけたところ、Web サーバがダウンしてしまうことがありました。 幸い、実運用ではそのような状況には今のところ陥っていないのですが、「これは一度、4つの API で比較テストしておこう」ということになり、今回、その運びとなりました。 また、同テストを FileMaker Server 12 と 15 でも実施しました。以下にその方法と結果を公開いたします。 1ユーザによる郵便番号データの検索と表示という限られたテストなのですが、多少なりとも参考になればウレシイかも、です。

1. テスト方法

全国の郵便番号データを入れた FileMaker データベース(今回は弊社製品『FMEasy在庫』の郵便番号テーブル)を用意し、FileMaker Server 12 と 先月リリースされたばかりの FileMaker Server 15 でそれぞれ公開。
 このデータベースにアクセスして郵便データを検索するための簡単な php ページを作成しました。

 たとえば、FileMaker API for PHP で「北海道」を含む郵便データを検索するときのイメージはこのようになります。

検索実行中!



 そして下図が実行結果となります。
 FileMaker API for PHP による「北海道」郵便データ検索結果は 8242 件(データはかなり古いので、最新のデータでは違う結果が返ると思います)で、このレコードを取得してくるのに 2.9935 秒かかったことがわかります。



2. テスト結果

FileMaker Server 12 と 15 を使用し、それぞれのサーバ上で XML、FileMaker API for PHP、fx.php、POD(ODBC) の 4 種類の API を使って 10 回ずつ「北海道」の検索を実施しました。
 その測定結果は次の通りとなりました。



 FileMaker Server 12 と 15 のバージョン間の比較では、FileMaker Server 15 のパフォーマンスが約30% 良い結果となりました。

 パフォーマンス平均をグラフ化すると、このようになります。

API 別 FMS15 vs FMS 12 パフォーマンス比較


 次に、API の比較ですが、本テストに限っては、PDO が圧倒的に高速でした。北海道に属する全8242レコードの検索・描画の最高速は 0.938秒。 正直、FileMaker の ODBC を介したアクセスは使い物にならない、と過去の経験から思い込んでいたので(その記事がこちら)、この結果は驚きでした(FMさん、御免なさい r( ̄_ ̄;))。 また、2つの php ライブラリでは、FX.php がほんの少し有利で、php ライブラリと 生XML の比較では、生XML が約40% 高速となりました。


 php ライブラリは、Web プログラマにとって扱いやすいというのがメリットですが、処理が関数化されていることによって、その分サーバのパフォーマンスが相当程度犠牲になっているようです。
少ない人数の運用では何ら問題が無かったのに、ユーザ数が増えた途端に業務に支障をきたすようになった、みたいな時は、DBへのクエリやコードの見直しに加えて、XML や PDO への乗り換えも選択肢になるかもしれません。


参考サイト:
FileMaker×PHPで作る、簡単・便利なWebアプリ ― とっても力作なサイト

過去記事:
ODBC ドライバ DataDirect SequeLink を使って FileMaker Pro にアクセスしたときの問題点


(亀)

2013-01-24

FileMaker IWP (インスタントWeb公開) で一覧を表示させる方法

 前回の記事で、インスタントWeb(IWP、Instant Web Publishing)では、一度にリスト表示できるレコード件数が 25 件という制限があるため、リストレイアウトは向いていないというような内容に触れました。

 そこで今回は、FX.php と Web ビューアを使うことによって、IWP 上でリスト表示させる実行方針について紹介します。

 FX.php による検索操作方法は、FX.php のマニュアルをご覧ください。
 以下は、それ以外の部分について簡単に説明します。


1. IWPを使ったページのリロードと印刷方法の情報を流用して、FileMaker Pro レイアウト上に Web ビューアを一つ置き、検索実行用の php ファイルを指定します。

 初期状態は、以下のようにパラメータは無しで指定します。




2. 次に、レイアウト上の“検索”ボタンが実行されたら、指定条件(上記の例では[g氏名fr検])に入力された値をパラメータとして Web ビューアに渡して処理を実行するようにスクリプトを作成します。

 以下は、スクリプト内のWeb ビューアの設定で、URL へ移動するオプションを選択し、検索文字列として $str に格納された検索条件を付加しているところです。


 これにより、“検索”ボタン実行時に、上記の URL に切り替わり、指定された php ファイルの中で検索条件を取り出して FX.php で検索を行い、その結果をリスト形式で展開すれば、その結果リストを照会したり、印刷したりすることができるようになります。


3. ここまで設定し、IWP で表示を確認すると、以下のようになります。。
 ページ上のオレンジ色で示された部分が検索条件指定フィールド、ピンク色で示された部分が Web ビューア(IWP 上ではインラインフレーム)となります。



 [氏名]に「川」を入力して、“検索”ボタンを実行し、「川」を氏名に含む人物を一覧させた場合のイメージは、たとえば以下のようになります。

ご覧のように、氏名の一覧表示が可能となります。

データ作成でズボラをかましてしまいましたので、[氏名]と[ふりがな]に同じものが表示されていますが、これらのフィールドはそれぞれ別フィールドとなっております。




 ピンク色で示したインラインフレームを印刷するようにすれば、一覧をプリンタに出力することができます。


以上

(亀澤)


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2013-01-16

FileMaker IWP (インスタントWeb公開) 上で JavaScript を使い、ページのリロードと印刷を行う方法

 FileMaker Pro/FileMaker Pro Advanced, FileMaker Server Advanced で インスタントWeb公開(Instant Web Publishing, 本記事では IWP で統一)を行うと、FileMaker Pro で開発したレイアウトをそのまま Web に公開してデータベースの更新や照会ができるようになります。

 現行で最新バージョンとなっている FileMaker 12 では、FileMaker Pro/FileMaker Pro Advanced の場合は、最大 5 ユーザまで Web での同時使用が可能となっており、これに対し、FileMaker Server Advanced の場合は最大 100 ユーザまで Web での同時使用が可能です。


 ただし、FileMaker Pro 本体に比べると、IWP には仕様上の制限があるため、開発時にそれらの制限を十分に考慮する必要があります。

 IWP でできないことは以下のとおりです。
  1. オブジェクトフィールドへのファイルのアップロード
  2. データのインポート/エクスポート
  3. FileMaker Pro のデータから PDF ファイルや Excel ファイルを作成
  4. FileMaker Pro のレポート閲覧
  5. レイアウト、レポート、スクリプト作成
  6. 警告音、メッセージポップアップ表示
  7. 印刷コマンド実行
 また、この他にもスクリプトトリガ、スクリプトステップ、条件付き書式などでも IWP に対応していない動作がありますので、FileMaker Pro 本体と IWP を併用する形でデータベースを運用する場合は、FileMaker Pro 側と Web 側での動作の違いに気を付けながら開発を進める必要があります。


 さて、今回は、上記に示した IWP の仕様制限のうち、1. オブジェクトフィールドへのファイルのアップロード、および 7. 印刷コマンド実行について対応方針を考えてみることにします。


【オブジェクトフィールドへのファイルのアップロード】

 オブジェクトフィールドそのものへファイルをアップロードする代わりに、php を使って Web サーバ上にファイルをアップロードし、そのファイルへのリンクを FX.php を使って FileMaker Pro データベースに書き込みます。

 FileMaker Pro 側の設定は、レイアウト上に以下のような Web ビューアを配置し、アップロード処理および FX.php 書込み操作を記述した php ファイルを指定します。



 php ファイルは Web サーバ上に配置してください。また、[Web ビューア内容とのインタラクションを許可] チェックボックスには必ずチェックを入れておきます。

 そのあと、IWP でデータベースを開くと、たとえば以下のようなページが表示されます。


 イメージとしては、ファイルアップロード後は、矢印が示すフィールド [FileURL] にそのファイルへのリンクを表示させるようにしたいわけですが、FX,php はバックグランドで操作されますので、ここは動的には変化しません。

 これを、JavaScript コマンドをページアップロード後に呼び出されるように組むことで、ページをリロードさせて反映させようというわけです。

 画面上に、「この部分が Parent」と表記しておりますが、Web ビューア(ピンク色)を自分自身とした場合、外のエリア(紫)が親 (parent) となりますので、JavaScript では parent に向けて処理をするようにします。



 parent.location.reload();


リロード後のイメージ



 FX.php を使った FileMaker Pro データベースへのデータ書込の話題は、以下の記事群をご覧ください。

【印刷コマンド実行】

 FileMaker Pro の印刷コマンドは、IWP では実行できません。
これでは、顧客一覧、見積書、請求書などの帳票を IWP で印刷したいときに不具合があります。

 この対策として、上記のファイルアップロード例と同じ要領で Web ビューアを配置し、印刷ボタンを配置したページを指定します。





 ファイルには、フォームの 印刷ボタンをクリックすると、JavaScript で以下のような関数を呼び出し、 parent ページを印刷するようにします。



function reportprint()
{
parent.focus();
parent.print();

}



 これにより、Web ブラウザの印刷ダイアログが表示されます。



 上図のように、印刷ボタンの部分もページとして印刷されてしまいますので、Web ビューアを配置する場所は 2 ページ目の先頭あたりにくるようにし、印刷時は 1 ページ目を選択するようにすると都合が良いでしょう。

以上

(亀澤)



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2008-07-11

【応用その4】FX.php を使ってアンケートフォームを MySQL 対応にしてみる

 サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)

 *FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。

 FX.php は MySQL データベースへの接続にも対応しているため、アンケートフォーム作成の延長として、今回は既存のコードに MySQL データベースへのデータ書込機能を実装してみることにします。

 * 操作にあたっては、MySQL Server がインストールされていることが前提となりますので、予め MySQL Server のインストールと、文字化け対策のためにデフォルト文字セット(utf8)が有効になるように設定しておいてください。

 まずは、データベースを準備します。付属の create_table.php の $rootPass に MySQL の root パスワードを設定して同スクリプトを保存し、local の web サーバで実行してみてください。Comment データベース、cgi テーブル、webuser とそのパスワードが生成されます。作成するテーブル列は、create_table.php を参照してください。
 
 以下、次の順に Comment.php へコードを追加していきます。
1.使用するデータベース種別を MySQL にします。
データベース種別

2.接続先の MySQL サーバポート番号を指定します。デフォルトは 3306 です。
MySQL ポート番号

3. あとは既存の FX.php 接続とほぼ同じですが、最後のデータ書き込みのところで、FMNew() の代わりに PerformSQLQuery() 関数を使います。引数は第一パラメータに SQL クエリ文を指定し、残りはデフォルト値を指定します。

 PerformSQLQuery($query,true,false,'object');

 この部分をコードで表したものが次のとおりです。(列名)と値を使って $query SQL クエリ文をセットし、次の PerformSQLQuery で指定して実行します。
query

 FX.php & MySQL の組み合わせで実行可能になっているコードを Comment_mysql.php に用意してありますので、併せて確認してみてください。

参考リンク:
MySQL オフィシャルサイト

2008-07-09

【応用その3】アンケートフォームにセッションを追加してみる(リロード対策)

 サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)

 *FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。

 PHP 経由で FileMaker データベースにデータ書込を行う手法として、簡易アンケートフォームの作り方をベースに説明を進めてきました。
 すでにお気付きの方もいらっしゃるとは思いますが、実はこのままでは実際の運用には不向きな部分があります。

 それは、最後のお礼ページです。
 このページが表示される直前に FileMaker データベースへのデータ書込とメール送信を同時に行うわけですが、Web ブラウザのリロードボタンを押してページをロードするたびに同処理が実行されてしまうため、ゴミデータとゴミメールが増えてしまう可能性があります。
 実際問題として、お礼のページをリロードしてしまうユーザも結構多かったりするので、リロード操作が行われてもデータ送信、メール送信は一回だけ実行するような仕組みが必要となります。

 これを効率よく処理する方法として、PHP のセッションをここで組み込んでみることにします。
 PHP のセッションはスーパーグローバル配列と呼ばれ、読み込まれたページにかかわらず値を保持しておくことができるものです。FileMaker のグローバル変数に共通している部分もあるので、そう捉えると理解しやすいと思います。

 ユーザによるページリロード対策は、データ書込とメール送信が行われたかどうかを判断し、それが No なら書込・メール送信を許可、Yes なら不可にすればよいわけです。これをフラグを使って表現するとさらに明確になります。仮にフラグ名 を done フラグとしましょう。

 未書込の状態 --- done フラグはオフ (FALSE、偽)
 書込済の状態 --- done フラグはオン (TRUE、真)

 done フラグがオフ(FALSE)のときに書き込みを実行し、その操作が終わったら done フラグをオン(TRUE) にします。

 この値をセッションに入れておくことで、ページが何度リロードされても呼び出しはセッションから行うため、一度オンになったフラグはオフになることはありません。

 この処理を PHP で記述すると次のようになります。
1. セッションの開始と有効期限を決めます。
セッション開始
 セッションの有効期限のデフォルトは 180 分ですが、簡易アンケートで特に詳細な確認が必要なわけではないため、ここでは有効期限を 5 分にしています。5 分経過するとセッションは破棄されて無効となり、その後にページをリロードすると、白紙のページが表示されるようになります。
 session_start() 関数でセッションを開始するわけですが、この関数は、セッションが存在しない場合は、新たにセッションを作成します。これに対し、セッションがすでに存在している場合はそのセッションを再度呼び出します。つまり、このアンケートフォームで言えば、最初にアンケート入力フォームのロードを行った時点でセッションの作成を行い、それ以降、ページがロードされたり次のステップに進むたびに session_start() 関数から同一のセッションを呼び出すわけです。

2. 次に、done フラグの初期化を行います。
セッション初期化
 初回ページロード時に一度だけ done フラグに FALSE (データベースへの書込とメール送信が行われていない状態)をセットします。

3. お礼のページを出すときに、done フラグが FALSE であることを確認し、それに該当すれば FileMaker データベースへのデータ書込とメール送信を行い、その後に done フラグに TRUE (データベースへの書込とメール送信が完了した状態)をセットします。
 以下、赤線を引いた部分に注目してください(コードが長いため、中略を入れてあります)。
done フラグのセット

 これでセッションの実装が終わりました。サンプルコードを使って動作を確認してみてください。

2008-07-04

【応用その2】FX.php を使ったアンケートフォーム作成 --- 従来のファイルメーカー Pro データベースで Web アプリケーション作成

 サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)

 *FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。
 
 さて前回の FX.php 解説に引き続き、今回は FX.php を使って従来の FileMaker データベースにアクセスする方法について触れてみることにします。今回もまた、今まで使ってきたアンケートフォームにちょっと修正を入れるだけです。アンケートフォーム作成のおさらいが必要な方は、こちらを先にご覧ください。

 FileMaker API for PHP を利用するためには、FileMaker Pro 9 と FileMaker Server 9 がインストールされていることが条件となるため、従来に比べるとコスト的に敷居が高くなってきています。安定したデータサーバ運用を目指すのなら、もちろんこれらを導入するのが確実ですが、FileMaker Pro 5.x/6 で機能的に十分に満足している方には、ちょっと手が出にくいパッケージであることも確かでしょう。

 そこで、FX.php と FileMaker Pro 5.x/6 の Web コンパニオンプラグインを組み合わせてもデータベースへの書き込みを実現できるため、既存のシステムをそのまま Web 公開データベースとして活かすことも可能となります。
 ただし、通常版は 10 アクセスユーザ数(10 IP アドレス)という制限が伴うため、現実的な運用にあたっては FileMaker Pro 5.x/6 Unlimited が必要になることは注記しておきたいと思います。

 それでは実際に既存のサンプルコードを修正していくことにしましょう。
 処理は前回の FX.php 接続とほぼ同じですが、今回はそれに加え、文字コードの変換が必要となります。
 FileMaker Pro 9 では内部コードを UTF-8 で処理しているため、ソースが UTF-8 で記述されていれば問題はなかったのですが、FileMaker Pro 5.x/6 では内部コードを Shift-JIS で扱うため、このままデータを送るとエラーが起こったり、文字化けが発生してしまいます。

 そこで、今までの処理に文字コード処理を追加します。

  1. FX を使用することを宣言する(FX インスタンスを作成する)。

  2. 使用するデータベース名とレイアウト名を指定する。

  3. 使用するユーザ名とパスワードを指定する。

  4. データ送信時の文字コードを Shift-JIS に変換する。

  5. 追加するフィールドと、そのデータを指定する。

  6. レコード追加を実行する。



 上記を FX.php の記述規則に従って置き換えると、次のようになります。

 赤線を引いた部分と、赤で囲った部分が前回と異なってはいますが、その他はすべて同じです。
 指定の通り、FX インスタンス作成時に、使用するデータソース(データベース)が FileMaker Pro5.x/6 であることを知らせます。
 そして、データ送信前に文字コードセットを UTF-8 から Shift-JIS(SJIS) に置き換えます。

 ただし、FMP7/8/8.5/9 に対してこの文字コード変換を行うとデータ書き込みに失敗してしまうため、必要に応じて、データソースが FMPro5/6 のときだけ文字コード変換を行うという条件を追加する必要があります。
 この条件を追加するとこのようになります。

 変数 $databaseType には、コードの最初の方で予め "FMPro9" もしくは "FMPro5/6" のいずれかを設定しておきます。こうしておくことによって、使用するデータソースに応じて処理を切り替えられるので便利です。
 ソースの詳細は、サンプルコードをご覧になってみてください。

 先に PHP ソースについて解説しましたが、最後に FileMaker Pro 5.x/6 データベースファイルの作成と設定方法について説明します。

1. データベースファイルを作成します。FileMaker Pro 5.x/6 を起動し、Comment.fp5 というファイルを作成し、以下のフィールドを作成します。

 [RecID]、[作成日]、[作成アカウント]、[修正日]、[修正アカウント]は管理用のフィールドですが、作成しておくと便利でしょう。

2. レイアウト名を cgi に変更します。
3. 「アプリケーション環境設定」ダイアログを出し、プラグイン一覧より、Web コンパニオンにチェックを付けて「設定」ダイアログを開きます。

 セキュリティに「ファイルメーカー Pro アクセス権」を指定し、TCP/IP ポート番号に 80、もしくは 591 を指定します。

4. ファイルの共有設定で、以下のようにチェックを付けることによって Web コンパニオンを公開します。


5. パスワードを指定します。図のように、web というパスワードを作成し、web で公開させる最低限のアクセス権を決めます。

 この他にフルアクセスを許可するパスワードが必要となりますので、ここでは Admin を作成してあります。

 以上で準備が整いました。
 FMPro5/6 用の設定を施した comment_fp5.php というファイルをサンプルに用意してありますので、参照してみてください。

参考: FX.php vs FileMaker API Benchmarks Discussion(英文)

2008-07-03

【応用その1】FX.php を使ったアンケートフォーム作成

 本記事は2008年に FileMaker 9 の環境下で執筆されました。2016年11月現在、FileMaker の最新バージョンは 15 となっていますが、15 においても本記事の内容はなお有効と思われます。
 一方Ver 15 では WebDirect と呼ばれる 機能があり、これにより PHP などで Webプログラミングを行うことなく、 FileMaker デスクトップアプリとほぼ同様の操作がブラウザ上でも可能となります。WebDirect は開発が非常に楽になる半面、ライセンス費用やブラウザとの互換性等に問題があります。 したがって、高速開発性(RAD)を重視し、ブラウザ互換性をある程度無視できる環境では WebDirect は FX.php の代替となる可能性があります。

 参考: アンケートシステム・プロトタイプ


 *FileMaker API for PHP を使ったアンケートフォーム作成をお読みになっていない方は、先にこちらをご覧ください。

 さて、前回まで 4 回にわたって FileMaker API for PHP によるアンケートフォームの作成方法を解説してきましたが、今回はさらに FX.php による FileMaker データベースアクセス機能も実装してみることにします。

 FX.phpiViking.org によって無償で提供されている FileMaker アクセスクラス群で、FileMaker Pro 5~ 9 に幅広く対応しているため、FileMaker API for PHP が実現できない環境のユーザでも FX.php を使うことによって php からのアクセスが可能となります。

 インストール方法も簡単で、ダウンロードして解凍した FX フォルダを Web サーバの適当な場所に配置するだけです。

 それでは実際にやってみましょう。
 Comment.fp7 を開き、「アカウントとアクセス権の管理」ダイアログを出し、そこからすでに登録済の Webuser を選択して「アクセス権セット...」を選択して以下のダイアログを開きます。

 FX.php は xml によるデータアクセスを行いますので、反転部分のように、「XML Web 公開でのアクセス- FMS のみ(fmxml)」にチェックを付けて保存します。

 これで FileMaker の FX.php 向け Web 公開の準備が整いました。

 さて、次は FX.php 向けのコードを追加していきます。
 まずは、コードの最初の方で FX.php をロードします。今ある Comment.php から FX.php が辿れるように設定してください。

 require_once '../../FX/FX.php';

 そしていつものように、日本語で手順を考えてみます。

  1. FX を使用することを宣言する(FX インスタンスを作成する)。

  2. 使用するデータベース名とレイアウト名を指定する。

  3. 使用するユーザ名とパスワードを指定する。

  4. 追加するフィールドと、そのデータを指定する。

  5. レコード追加を実行する。

 
 こうして見てみると、前回のデータベース書込手順とほとんど変わらないことがわかりますね。
 あとは上記の内容を FX.php 向けに書き換えていくだけです。

 一行目のデータベース接続にサーバ名、ポート番号、データソース名(FMpro9)を明示的に指定する必要がありますが、その他メソッド名に差異はあるものの、前回の FileMaker API for PHP のコードとさほど形式が変わらないことがおわかりいただけるでしょう。

 サンプルコードの方に FX.php と FileMaker API for PHP の切り替え操作も盛り込んでありますので、併せて確認してみてください。


※サンプルコード
サンプルデータベースと PHP ソースコードはこちらからダウンロードできます。(本アーカイブは、不定期に差し替えが行われる可能性があります。あらかじめご了承ください。)