NSA E-Class は SonicWALL 製品でも上位クラスに属する製品群で、搭載されている CPU コア数が最大 16 というだけあって、ファイアウォール と UTM を同時に有効にしても平均 1 Gbps 以上のスピードを保持できるという優れものです(ちなみに CPU が 1 個の廉価版 TZ シリーズで出せるパフォーマンスはせいぜい 50Mbps なので、その差は歴然です)。
NSA E-Class と TZ シリーズとの大きな違いといえば、上記で述べたマルチコア構成の他に RFDPI (Reassembly Free Deep Packet Inspection) があります。
SonicWALL に送られてきたパケットを SonicWALL 内部で一度開梱して、それをもう一度再構築して LAN に送るというのが従来の方式ですが、この再構築プロセスによって処理速度が低下してしまうのがネックとなっています。これを解決させたのが RFDPI で、パケットを開梱せずにスキャンを行う分、速度低下が発生しないようになっています。また、従来の方法では開梱したパケットを一時的にメモリに蓄えられるため、ファイルサイズが大きければそれだけメモリを消費することになり、大量のデータを一度に扱う場合はそれだけ処理速度の低下が発生したり、ファイルサイズが大きすぎるために処理不能と判断されドロップされる可能性がありますが、RFDPI なら開梱を行わずにスキャンを行うため、ファイルサイズによって処理速度が左右されることがありません。
参考:SonicWALL NSA E-Classシリーズ概要と構成例
SonicOS 5.0 以降の基本機能について
- Layer 2 ブリッジモード
ネットワーク構成を変えずに、ゲートウェイアンチウィルスやIPS機能を提供 - アプリケーションファイアウォール
アプリケーション別にアクセス制限をかける - Active-Passive ステートシンク フェイルオーバー
セッション情報の常時同期を行い、ハードウェア障害時にセッション情報を予備のハードウェアに引き継ぐ。 - パケットキャプチャ
パケットダンプ、HTML/CAP 形式でのパケット情報出力 - シングルサインオン
Microsoft Active Directory にログインするだけで SonicWALL 環境へのアクセスログインを可能に
参考:SonicWALL NSA E-Class シリーズ
SonicWALL による HA (High Availability 高可用性)構成
現用系と予備系の SonicWALL ユニットを配置し、障害時に予備系の SonicWALL にパケット送信が切り替わるようにする構成方法です。E-Class では障害復旧時にどちらの機器に優先的にパケットを流すかも設定可能です。
構成例:Tokyo FM における HA 構成
Global Management System
Global Management System をインストールすることにより、セキュリティポリシー一括適応、全ユニットの集中管理/監視、ライセンスの集中管理、リモート管理を可能にし、管理コスト削減を実現します。
参考リンク:
SonicWALL NSAシリーズ 価格体系
Macnica Networks
SonicWALL E-Class シリーズ紹介ビデオ(英語)
(今回の東京での講習内容がほぼ網羅されています。)
04:34 Re-Assenbly Free Inspection 解説
05:06 マルチコアデザイン解説
06:15 Active-Passive ステートシンク フェイルオーバー解説
07:10 Layer 2 ブリッジモード解説
07:19 Wireless スイッチモード解説