2013-07-24

簡単? FileMakerで在庫管理(5) ―― 倉庫間移動

 当ブログの在庫関連記事 簡単? FileMakerで在庫管理(3) ―― 倉庫など場所別に在庫数を把握するでは、「FMEasy在庫 R1.0」をベースに倉庫などの在庫場所別に在庫数を算出する方法について概容を説明しました。

 そんな折、「FMEasy在庫 R1.0(開発版)」のユーザ様から、倉庫間移動に関するご質問を頂戴しましたので、今回はその手法をご紹介します。

商品の倉庫間移動


 まず、下図の青色で囲った部分をご覧ください。



 出庫画面に移動先を入力するための[移動先ID]フィールドを配置しています。
 倉庫間移動が発生する場合、ユーザは移動先のIDを入力した後、“倉庫移動”ボタンをクリックします。すると、出庫画面で入力した出庫明細と同内容のデータが入庫にも作成されるという流れになります。


下準備


 取引先マスタに「倉庫間移動」という管理項目を登録しておきます。
 このとき、倉庫間移動の[取引先ID]は「41」であったと仮定してみます。


倉庫移動スクリプト


 倉庫移動ボタンに割り当てるスクリプト仕様はおおまかに以下のとおりです。
  1. $moveTo 変数に移動先IDをコピー。
  2. 出庫明細(ポータル)内のすべての商品ID/出庫数を $prodArrayに変数配列として格納。
  3. 新規ウインドウで入庫レイアウトを開き、新規レコードを作成。
  4. [入庫場所ID]フィールドには変数1、[仕入先ID]フィールドには「41」を入力。同時に[入庫日]、[担当ID]、[伝票区分]にも適切な値を入力。
  5. $prodArray 変数に格納した出庫明細の要素を、入庫明細の商品ID/入庫数に展開。同時に各[在庫場所ID]には $moveTo 変数に保持されている値を設定。
  6. 入庫レコード確定。

 このスクリプトの実行結果は下図のようになります。



注:
  • 入庫明細作成時、場所別在庫テーブルに座間倉庫用の商品が登録されているかチェックし、無ければ登録する。 ここをミスると、商品がシステム上から消失してしまうので、要注意。
  • 入庫画面の[備考2]に移動元のIDと[場所名](倉庫名)を記録するとわかりやすい。
  • 取引先テーブルに各倉庫名を登録、さらに在庫場所テーブルに[取引先ID]フィールドを新設し、そこに各在庫場所に対応する[取引先ID]値を記録し、[仕入先ID]には上記「41」の代わりに、その倉庫の[取引先ID]を入力するのも良い。
  • 社内倉庫間の移動であるから、[仕入単価]は適切に処理 ― 例えば0を入力― する。
  • 倉庫が隣接しておらず、日単位のタイムラグが発生する場合、“倉庫移動”実行タイミングや[入庫日]の値を考慮すること。

2013-06-28

IIS7 でサイトページの内容の一部を自動的に書き換える方法

 Apache では、mod_layout モジュールを使ってページ内容の一部を書き換えたり、URL を変更したりすることができますが、 IIS7 単体ではできません。

 しかし、Microsoft サイトで提供されている URL 書き換えモジュール(URL Rewrite Module) を使うと、同様の操作が可能となります。

 今回は、この URL 書き換えモジュールを使って、ページの文末を書き換える方法について説明します。


1. URL Rewrite Module 2.0 をマイクロソフト公式ダウンロードサイトよりダウンロードし、IIS7 を運用中のサーバにインストールします。

Microsoft URL Rewrite Module 2.0 for IIS 7 (X64) ダウンロード
Microsoft URL Rewrite Module 2.0 for IIS 7 (X86) ダウンロード


 インターネット インフォメーション サービス (IIS) マネージャを起動すると、以下のように、URL 書き換えアイコンが表示されていればインストール成功です。



2. サーバ全体で書き換えを適用する場合は、左ペインのサーバ名をクリックしてから、URL 書き換えアイコンをダブルクリックします。

 URL 書き換えの規則を管理するウィンドウに切り替わりますので、画面下部の「HTTP 応答のヘッダーまたはコンテンツに適用される送信規則」のセクションをクリックし、次に右ペインより「規則の追加...」をクリックします。



3. 送信規則のセクションで「空の規則」が選択されていることを確認し、“OK” をクリックします。


  送信規則の編集ウィンドウに切り替わります。



4. 名前と必須条件を決めます。

 [名前(N)] に任意の名前を入力し(下図では adcode)、[必須条件(P)]の一覧より「<新しい必須条件の作成...>」を選択すると、下図のように必須条件編集ダイアログが表示されます。



 ここで、[名前] に任意の条件名を入力し(下図では bodyEnd)、[仕様] は「正規表現」が選択されていることを確認してから、“追加”ボタンをクリックすると、下図のような正規表現指定ダイアログが表示されますので、以下のように入力します。



 [条件の入力(C)] {RESPONSE_CONTENT_TYPE} (デフォルト)
 [入力文字列が次の条件を満たしているかどうかをチェック] パターンに一致する(デフォルト)
 [パターン(T)] ^text/html
 [大文字と小文字を区別しない] チェック付き(デフォルト)

 ここまで入力が終わったら、“OK” ボタンをクリックすると、必須条件の追加ダイアログに戻りますので、内容を確認してから “OK” をクリックして閉じます。



5. 書き換え用のテキストを設定します。

 画面中央の[パターン]に書き換えるタグを入力し(下図では
)、アクションのセクションでは、[アクションの種類(Y)] は「書き換え」(デフォルト)、[アクションのプロパティ]には任意の文字列を入力します。


 ここでは、ページの末尾を Powered by Tsuchiya Planning Company </body> で書き換えるという規則を指定したものです。

 ヘッダ部分を書き換えるのであれば、[パターン] を </head>、にし、[アクションのプロパティ] に任意の文字列や制御コードと記述し、</head> で閉じるようにします。
 すべての操作が終わったら、ウィンドウ右上の“適用”をクリックします。


6. ページをロードして、設定が反映されていることを確認します。

 試しに、http://localhost/iisstart.htm にアクセスしてみましょう。
 以下のように、指定した文字列がページの最後に表示されていれば成功です。




 この方法を応用すると、サイトのすべてのページにアクセス解析のトラッキングコードを自動挿入したり、ページの先頭や末尾に広告を自動挿入したりすることができます。




2013-06-05

売上猫くん Standard R5(FileMakerランタイム)からPDF出力

  『売上猫くん Standard R5』をダウンロードされた方から、「PDF出力はできないの?」といったお問い合わせを受けることがあります。FileMakerでランタイムされたシステムでは、PDF出力の機能は使用できなくなるのですが、PDF 作成ソフトを利用すると、PDF 出力が可能となります。このPDF作成ソフトでおススメなのが、PDFCreatorというフリーソフト。 フリーといえども侮ることなかれ。 小社の得意先では毎月末、千以上のPDFファイル(ページ数なら数千ページ)をPDFCreator でバッチ作成しています。 が、実行環境によっては出力できない可能性もあります。導入にあたっては、予めPDFCreatorをダウンロードし、十分テストを行うよう、お願いいたします。


【PDFCreatorによる請求書のPDF出力】

PDF Creator を使った PDF 出力


PDFCreatorは『売上猫くん Standard R5』とかFileMakerランタイムとかに関係なく、印刷コマンドを実行するソフトで利用可能(な筈)です。



(亀澤)