2011-06-01

Hyper-V のゲスト OS からサウンドを出す方法(裏技的な使い方)

 Hyper-V のゲスト OS は、サーバ機能に特化した機能以外はほとんど使えないようになっているようです。
 USB ポートやサウンドカード等のサポートがこれに該当するため、Hyper-V のゲスト OS にはサウンドボードのエミュレータは組み込まれていません。

 32-bit のサポートを謳っていない Skype や AIM などの通信アプリケーションでは、64-bit であるホストでは正常に動作しないため、32-bit のゲスト OS 環境にそれらをインストールして使用する必要があります。

 しかし、上記の説明どおりゲスト OS からはサウンドを出すことができないため、リモートデスクトップを使うことによってこれを解決できます。

 リモートデスクトップ接続ウィンドウから“オプション”ボタンをクリックし、「ローカルリソース」タブの「リモートオーディオ」というセクションから“設定(S)...”というボタンをクリックすると、以下のようなダイアログが表示されます。



 上図のように設定して“OK”を選択してからゲスト OS にリモートデスクトップ接続を行い、接続先のゲスト OS で正しくサウンドデバイスを設定すると、サウンドが有効になります。

 今まで Hyper-V ゲスト OS からサウンドデバイスが有効にならないため諦めていた方は、駄目元で試してみると良いでしょう。


参考:Sound Card Emulation in Hyper-V?(英文)
http://social.technet.microsoft.com/Forums/en-US/winserverhyperv/thread/a060720c-833e-4855-921b-6d5c79dc98d9/

2011-05-20

P2V 変換した Windows Server 2003 の仮想マシンに統合サービスセットアップディスクをインストールできずに泣かされる

 前々回の記事で、本ブログで物理マシンを仮想マシンに変換して Hyper-V で運用する方法について説明しましたが、disk2vhd で変換された仮想ディスクを使って起動した仮想マシン(Windows Server 2003)に統合サービスセットアップディスクを入れようとすると、「HAL をアップグレードしています」というダイアログが表示され、その後にマシンを再起動すると、このメッセージが再び表示される(つまりループ状態となる)現象が発生しました。


 二日間ほど悩んでネットを探し回った結果、以下の方法にたどり着きました。

disk2vhd で作成されたディスクはデュアルブートになっている

 仮想マシンを起動した直後は、以下のようなデュアルブート選択画面が表示されます。
 待ち時間はデフォルトで 3 秒間なので、素早く Disk2vhd でない方(下)を選択して起動します。



 この手順で起動した方のシステムに統合サービスセットアップディスクをインストールすると成功します。


デュアルブートのブート順を入れ替える

 上記で統合サービスセットアップディスクのインストールに成功したら、今度のためにもブート順を入れ替えておいた方が良いでしょう。

 上記の要領でシステムを起動してから、コンピュータのプロパティを表示させ、「詳細設定」タブの「起動と回復」セクションに表示されている“設定”ボタンをクリックします。



 表示されるダイアログの「起動システム」セクションで、Disk2vhd という表記がない方のシステムを選択し、“OK” をクリックします。 



 これによって、次回の起動時より Disk2vhd でない方のシステムがデフォルトとして選択されるようになります。
 今後も起動するシステムを選択したい場合は、上記の画面で待ち時間を 10 秒くらいにしておくと選択するときに慌てなくてよいでしょう。


参考:Integration services cannot upgrade HAL(英文ページ)

サイズ可変の仮想ディスクを固定にしてサイズを縮小する方法

 サイズ可変の仮想ディスクが異様に膨れ上がったことにより、物理ディスク領域を圧迫したために起動しなくなるというトラブルを以前経験したことがあり(詳細はこちら)、当方では固定ディスクの使用を推奨しておりますが、最初にサイズ可変の仮想ディスクを作成してしまった場合、固定ディスクに変換すると、そのサイズが 5 倍~ 6 倍にも膨れ上がることがあります。

 たとえば、10G だったはずのサイズ可変仮想ディスクを固定ディスクに変換したとたん、サイズが 50G に膨れ上がってしまい、物理ディスク領域を圧迫してしまう可能性があります。

 この場合、以下の手順を踏むことで固定仮想ディスクのサイズを縮小することが可能です。
 (縮小率は使用済み領域によって左右されますのでご注意ください。)

1. サイズ可変ディスクのサイズを縮小する。

 ホストマシン(Windows Server 2008)から「スタート」→「管理ツール」→「コンピュータの管理」の順に選択し、左ペインに表示される項目より「記憶域」→「ディスクの管理」の順に選択して右クリックし、サブメニューより「VHD の接続」を選択します。



 サイズを縮小したい可変仮想ディスクを選択すると、そのディスクが接続されますので、接続後にパーティションを右クリックすることによって、サイズを縮小することができます。
 サイズは可能な限り小さくしてください。
 ディスク領域が縮小されると、残りのパーティションは未使用領域として表示されます。



 処理が終わったらディスク名(上図ではディスク 6)を右クリックし、「VHD の切断」を選択してください。

2. 仮想ディスクを固定にする。

 Hyper-V マネージャを開き、右ペインに表示されるメニュー項目から「ディスクの編集」を選択し、ウィザードに従ってディスクを固定に変換します。


 
 この時点でディスクサイズが数倍に膨れ上がります。

3. 専用のツールを使って固定ディスクのサイズを縮小する。

 vmToolkit で配布されている無償のツール vhdresizer をダウンロードします。

 vhdresizer をインストールしてから起動すると、ディスク指定画面が表示されますので、上記 2. で固定化した仮想ディスクを指定します。



以下を指定してから“Resize” をクリックすると、ディスクサイズが縮小されます。

[Destination Vhd] に変換後のディスクの名前を入力。
[Type]が Fixed (固定)になっていることを確認。
[New Size]に可能な限り小さな値を指定。上図では、指定可能最小サイズが 17gb となっているが、17 では Resize ボタンがアクティブにならないため、18 を指定。

“Resize” ボタンをクリックすると、指定したサイズにが縮小されます。


参考:この操作によって、手順 1. の可変ディスクの縮小時にできた「未使用領域」がなくなるため、ディスクの中は一つのパーティションとなります。