UTM (統合脅威管理=Unified Threat Management) という言葉ですが、日本ではいまひとつ馴染みが無いようです。 言葉としてもいまいちな感じ。 Integrated Secrurity Appliance とか、All-in-one Security Mnagement Device とか、Security という言葉を入れたほうがピンとくると思うのですが。 認知度が低いのはネーミングが悪いせいかどうかは兎も角、UTM製品名で検索をかけてもヒットするのは宣伝・広告ばかりで、日本のIT関連メディアやユーザサイドからの情報は、今のところ多くはありません。 したがって、運用に際してはには、英語のサイトに頼ることが多くなります。
さて、当方で使用しているのはSonicWALL Total Secure TZ-180というUTMです。 この製品はインターネットとLANの間に配置され、インターネットとLAN間の通信を監視し、設定した内容に従い、許容されていない通信パケットを破棄するとともに、VPNによりパケットの暗号化も行います。通信パケットの管理/暗号化は、ファイアウォール、VPN、ゲートウェイアンチウィルス、アンチスパイウェア、IPS、コンテンツフィルタリングにより行います。 また、ログ解析機能(ViewPoint)/警告メール送信機能も付属しています。
このうち、ゲートウェイアンチウィルス/アンチスパイウェアはhttp/ftp/smtp/POP3といったプロトコル(メーカーの謳い文句による50以上)を監視し、ウィルスやスパイウェアを発見すると除去します。 ただ、ゲートウェイアンチウィルスがあれば個々のPC/サーバにウィルス等のマルウェア対策が必要ないかというとそうではなく、個々のPC/サーバでもやはり対策が必要だと思います。 テロや外国人犯罪を防ぐのに飛行場や港湾といった水際の対策だけではなく、国内に侵入された場合にそなえ個人レベルの警戒も重要、というのと同義でしょう。厭な世の中ですが、破壊・犯罪を防ぐためには仕方がありません。
コンテンツフィルタリングは有害サイトへのアクセスを防ぎます。 一見すると子供向けの機能のようですが、有害サイトにはマルウェアが埋め込まれていることが多く、アクセスするだけで感染することもあります。 有害サイトへのアクセス遮断はマルウェアの侵入を防ぐ意味もあります。
ファイヤウォールとIPS(Intrusion-prevention system、侵入防止システム)の違いですが、一般のファイヤウォールはIPとポートへのアクセスを許可/拒否するように設定できますが、許可しているポートへの通信は、その通信パケットの中に悪意の命令が埋め込まれていても通してしまいます。 その結果、例えば、バッファオーバーフローを起こし、PCの動作異常や異常終了を引き起こしてしまったり、データベースのデータを改竄・消去されてしまったり(SQLインジェクション)ということも起こりえます。 これに対してIPSは、通常、IPやポートに依存せず、通信パケットのヘッダからデータをシグネチャ(攻撃パターン)データベースに照らして監視し、シグネチャに合致する通信パケットは侵入とみなし破棄します。 SonicWALLのシグネチャは24時間自動アップデートされ、新たな攻撃パターンをデータベースに記録します。
参考
Intrusion-prevention system(Wikipedia/英語版)
シグネチャを超えたプロアクティブな防御を――チェック・ポイントが戦略披露
土屋
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