たとえば、RAID 構成を表示させるページや、ISCSI の構成を表示させるページ等は読み込み中のまま、まともに動かなくなってしまったりします。
そういった場合に、エラーの発生したディスクカートリッジを交換したり修理に出したりする前に、直接 QNAP の OS にアクセスして状態の確認やログ参照を行うことにより、原因を特定しやすくなるかもしれません。
ここでは、PuTTY というターミナルエミュレータを使うことによって、QNAP にログインし、基本的なステータス確認コマンドを走らせる方法について説明します。
1. PuTTY のダウンロード
以下のページにアクセスし、適切なバージョンの PuTTY をダウンロードします。
PuTTY は実行ファイル単体で動作しますので、Windows ユーザの方は putty.exe をダウンロードすればまず問題ないでしょう。
2. PuTTY の起動
putty.exe を起動すると、PuTTY Configuration という画面が表示されます。
上図の青囲みのように Host Name に QNAP の IP アドレス、ポートに 22 (SSH) を指定してから、“Open”ボタンをクリックします。
3. QNAP へのログイン
接続に成功すると、以下のようなPuTTY のターミナル画面が開きます。
ログインを求められますので、admin を指定し、正しいパスワードを入力して Enter キーを押します。
4. mdstat でメディアの状態をチェック
以下のコマンド入力して Enter キーを押すと、現在のメディアの状態を確認できます。
cat /proc/mdstat
上記の黄色囲みに注目してください。
UUU_ と文字が並んでいますが、4 文字目がアンダースコア _ になってしまっています。
これは、4 番目のメディアに何らかの障害が発生しているため、mdstat では読み取り不能であることを示しています。
つまり、QNAP の 4 番目のディスクカートリッジに障害が起こっていることがこれでわかります。
6. klogd.sh dump でさらに状態を詳しくチェック
以下のコマンド入力して Enter キーを押すと、カーネルログデーモンで発生しているイベントのログを照会できます。
/etc/init.d/klogd.sh dump
しかし、これではすべてのログが表示されてしまいますので、後尾に grep を付けてキーワードの絞り込みをすると場所の特定が容易になるでしょう。
たとえば、入出力のエラーを確認したいときは以下のように入力します。
/etc/init.d/klogd.sh dump | grep "I/O error"
I/O error ログのみが抽出されます。
上記の黄色囲みの部分を確認すると、sdd デバイスに入出力エラーが発生していることがわかりますね。
【補足】
メディア名をコマンドでチェックするには、以下のコマンドを入力します。
ls /dev/sdd*
sdd、sdd1、sdd2、sdd3、sdd4 とメディア名が定義されており、最初から順に QNAP のカートリッジと対応しています。上記 4. の mdstat で説明したとおり、今回は4 番目のデバイス sdd3 (QNAP 本体では物理的に 4 番目のカートリッジ)に障害が起こっています。
また、sdd4 は物理的には存在していないデバイスとして定義されているようですが、この部分は当方は未確認です。
その他、QNAP の不具合に関して具体的なサポートを受けたい方は、以下にお問い合わせください。
QNAP HELP DESK (問い合わせは英語)